大会のノルマであるW杯の出場権を獲得、プレッシャーから解放されたであろう日本は、イエメンを下してベスト4に入ったイランと準決勝で対戦。
日本のフォーメーションは変わらず4-4-2で、GK後藤、DF小杉、永野、土屋、松本、MF川村、矢田、山本、佐藤、FWが望月と道脇、先発を5人入れ替えてきた。対称的にイランはほとんどメンバーを変えず中3日で臨んでいる。
序盤はイランがまず攻勢。ロングボールを蹴って前線で基点を作り、セカンドボールを拾ってドリブルからクロスという大陸スタイル。その代わり、イランは日本がボールを持ってもあまり高い位置からプレスをかけないので、中盤で比較的余裕が持てる内容。ただしピッチは水を含んで緩く、踏ん張ると芝が簡単に剥げる状態なので、細かいパスワークは発揮できない。
しかし前半10分、左でボールを受けた川村がフェイントからクロス、こぼれ球を矢田が狙いすましたコントロールショットを決めて日本が先制する。13分にはパスをカットされイランのエース、タレミに抜け出されてシュートも土屋がスライディングで止める。
21分、日本のGK後藤がバックパスをキックミス、相手にボールを渡してシュートを打たれるが何とか飛び出してコースを消したおかげで枠を外れてくれた。もしこれが決まっていれば全く違う試合経過になっただろう。
逆に25分、バイタルで縦パスを受けた佐藤がシュート、これはイランGKが足でクリアしたが、セカンドボールを拾った山本からのパスに望月が反応、最初の右足シュートは空振りしたが、左足で押し込み追加点。
イランは球際の強さを活かした強引なドリブルとクロスで日本陣内へ攻め込むが、日本は粘り強く守って決定機を作らせず。38分には川村が三笘ばりの縦突破からえぐって折返しも相手に当たる。前半ロスタイムにはタヘリがPA内で後ろから倒されPKの笛が吹かれたが、ハンドで判定がひっくり返されて終了する。
後半は9分に雷の影響で10分間の試合中断。2点ビハインドのイランはロングボールを前線に放り込む攻撃を中心に攻めてくるが、日本もしっかり当たり負けせずに対応。落ち着いてパスを繋いでイランのゴール前までボールを運ぶ。
後半15分、川村がカットインからシュートもイランGKにセーブされる。18分にはイランのサデギが細かいドリブルからクロスも、相手がPA内でかぶって助かる。23分には川村がドリブルで相手を交わしてシュートも宇宙開発。
25分に日本は山本と川村に変えて中島と名和田を投入。27分には道脇がPAすぐ外側で縦パスを受けてターンをしたところで倒されFK。これを佐藤が壁の下をグラウンダーで通す技ありのキックを決めて、日本が大きな3点目。
そこからさすがにイランがガツガツフィジカルプレスに来るかと思いきや、長続きしない。35分には名和田がセンターサークルから超ロングシュート、GKは前に出ていたが惜しくもポストに当たって決まらず。38分には途中出場の高岡が、PA内で中島とスイッチしてシュートも打ち上げてしまう。
後半ロスタイムにイランのCKからタヘリがフリーでヘッドも枠外。そのまま最後までイランの攻撃を跳ね返して試合終了、決勝の相手はウズベキスタンを1-0で下した韓国に決まった。
イランは個人のフィジカルと強さはあるのだが、東南アジアの高温多湿での連戦でいかにも体が重く、ターンオーバーを重ねた日本はプレスの強度で圧勝、選手層の厚さを見せつける完勝だった。大会中にチームの完成度を確実に向上させているところは、森山監督の真骨頂である。決勝もライバルに勝って大会連覇を決めていただきたい。