最終節を迎えたグループBは、イングランドが勝ち点4、そこから1点差でイラン、アメリカ、ウェールズが並び、全チームに勝ち抜けの可能性を残した状態で迎えた、イングランド対ウェールズのバトル・オブ・ブリテン。
ウェールズのフォーメーションは4-2-3-1で、1トップがムーア、2列目にジェームズ、ラムジー、ベイルが並んだ形。対するイングランドは4-3-3で、1トップがケイン、ウイングがラッシュフォードとフォーデン、インサイドハーフがベリンガムとヘンダーソン、右SBにはウォーカーが復帰したメンバー。
試合はイングランドがボールを持って、ウェールズが自陣に3ラインの守備を引いた形で始まるが、イングランドはウイングが高い位置を取ってワイドに開き、大きくボールを回しつつ縦へのスピードアップを狙う形。
前半10分、いきなりイングランドがラッシュフォードがスルーパスに抜け出してシュートも、ウェールズGKウォードが防ぐ決定機。しかしその後はイングランドがサイドでボールを持てても、ウェールズは中をしっかり締めてケインにボールを触らせない。が、ボールを奪っても前線にボールを送れない膠着状態。
イングランドは前半38分にフォーデンが振り向きざまにシュートも枠外。39分にはラッシュフォードがオーバーヘッドシュートも枠には飛ばせない。前半ロスタイムに、ウェールズがPAすぐ右からアレンがミドルを放つチャンスはあったが大きく外す。ウェールズは全く存在感が無かったベイルを前半だけでジョンソンに交代。
後半開始早々、イングランドはフォーデンがドリブルで突き進んでゴール前20m地点でファールを受けると、ラッシュフォードが直接FKをゴール右に突き刺してイングランドがようやく先制する。その直後にも、イングランドは高い位置からのプレスでボールを奪うと、ケインの折り返しにファーサイドで走り込んだフォーデンが押し込み追加点。
2点ビハインドのウェールズも反撃、10分にはジェームズが左サイドから巻くミドルを放つがわずかに枠外。直後にはムーアが強烈なミドル、マグワイアの頭に当たってコースが変わったが、イングランドGKピックフォードがキャッチ。イングランドはここでケイン、ウォーカー、ライスを下げて、ウィルソン、アレクサンダー・アーノルド、フィリップスを投入。
すると後半23分、イングランドはストーンズからのフィードをアレクサンダー・アーノルドが落とし、ウィルソンのダイレクトパスにラッシュフォードが抜け出し、カットインドリブルから左足でウォードの股間を抜くゴールを決めて3点目、これでほぼ試合は決まってしまった。
その後もイングランドが攻め立て、32分にはラムジーのスルーパスからベリンガムのシュートがGKに弾かれ、こぼれ球にフォーデンが詰めるが枠外。後半42分にウェールズは1トップのムーアにボールが入るが、時間がかかって苦し紛れのシュートは枠外。そこからはイングランドが試合をコントロール、そのまま0-3で試合終了。
ウェールズは、ベイルの個人能力で持ってきたようなチームなので、ここまで彼が何も出来ないとやはりどうにもならない。カタールが史上最弱の開催国という事で叩かれているが、ガッカリ度合いではアメリカ相手に勝ち点1しか取れなかったウェールズも大概である。
イングランドはやはり選手層の厚さがここに来て効いている。今大会はハードスケジュールかつシーズン中でけが人が多い状況になっているので、フランスやイングランド、ブラジルのような選手層の厚いチームが決勝トーナメントで勝ち上がっていきそうだ。