1級山岳テレグラフ、今大会最高標高2642mの超級ガリビエ峠、ラストは超級グラノン峠の頂上ゴールという、最難関クイーンステージとなった第11ステージ。
アクチュアルスタートから飛び出したのは、ワウト・ファンアールト、マチュー・ファンデルプールという当代スターの揃い踏み。他の選手も何とか追撃に乗ろうと後ろから飛び出すのだが、彼らのハイペースについて行けず集団に飲み込まれる展開が続く。
スタートから30kmを過ぎたあたりで、ようやく2人のペースが少し落ち始め、単独で追走したカッタネオが何とか追いつき、後方から抜け出した17人が合流して20人の逃げ集団が作られ、これでようやくメイン集団がペースを落とす展開に。
標高差300mながら、急勾配で細かいつづら折りが続く、ツール初登場の2級山岳ラセット・ド・モンヴェルニエは、ラトゥールがトップで山岳賞のゲシュケが2位通過。チームUAEが引っ張るメイン集団は約5分後に通過する。
1級山岳のテレグラフ峠への上りでは先頭集団から半数の10人が脱落、マチュー・ファンデルプールはメイン集団にも抜かれて結局リタイアを選択。9分後で追走するメイン集団からも、ユアンやサガンといったスプリンターが遅れてグルペットへ。
超級ガリビエ峠でメイン集団が動く。落車で総合争いから遅れているユンボ・ヴィズマのログリッチがアタック、アダム・イェーツがそれを追撃、後からマイヨジョーヌのポガチャルが追いつくが、今度はヴィンゲゴーがアタックとユンボ・ヴィズマがジャブを繰り出す。
先頭ではバルギルが単独で抜け出し、ゲシュケが追走。メイン集団では再びログリッチがアタック、ポガチャルはきっちり反応するが、アシスト陣が遅れてポガチャルは早くも丸裸になってしまう。が、ポガチャルはひるまず自分でカウンター、これでログリッチが遅れ始めてしまう。
さらにガリビエ峠まで残り4km地点でポガチャルがペースを上げると、バルデやゲラント・トーマスが遅れてメイン集団は早くもポガチャルとヴィンゲゴーだけになってしまう。そして2人はガリビエ峠を4分30秒差で通過する。
ガリビエ峠からの下りでファンアールトはヴィンゲゴーに合流、下り終わった頃には上りで遅れた選手が追いつき、また15人程度の集団になって最後のグラノン峠に突入。先頭は2分以上の差で相変わらずバルギル、ゲシュケらラトゥール、トゥーンスが追走、さらにメイン集団からは突然キンタナがアタックする。
残り5kmでバルギル先頭、キンタナが1分差、メイン集団ではUAEチームで唯一残ったアシストのマイカが引いた状態からバルデがアタック。そして4.5km地点ではヴィンゲゴーがアタック、ここで何とポガチャルが遅れ始める。先頭ではキンタナがバルギルを抜き、ヴィンゲゴーが追いついてキンタナを抜き去る。
2km地点では先頭のヴィンゲゴーとポガチャルとの差は1分45秒。この時点でバーチャルマイヨジョーヌはヴィンゲゴー。そして残り1kmでポガチャルはアダム・イェーツやゴデュにも抜かれてしまう。
そしてステージ優勝はヴィンゲゴー、同時にマイヨジョーヌをゲット。1分差でナイロ・キンタナ、バルデ、ゲラント・トーマスと続く。結局ポガチャルは2分52秒差でゴールイン。総合ではヴィンゲゴーが首位、2位は2分16秒差でバルデ、ポガチャルは2分22秒差の3位へと後退した。
やはり後から見ると、ガリビエ峠でのログリッチとヴィンゲゴーのアタックにポガチャルが過剰に反応してしまい、無駄な足を使ってしまった影響が出たというところだろうか。ポガチャルはサイボーグじゃないかと思っていたが、実は人間だったんだね(笑)。
さて今日の第12ステージはいよいよアルプスのハイライト、昨日のガリビエ、テレグラフをまた逆走、超級のクロワ・ド・フェールをこなした後は、4年ぶりに登場する伝説のラルプ・デュエズ頂上ゴール。ポガチャルも遅れたとはいえ、第20ステージに40kmの個人タイムトライアルが待っているだけに十分挽回可能。今日も絶対見逃せませんな!