31節で昇格争いのライバルであるブレーメンに1-4で大敗したものの、その次のザントハウゼン戦でロスタイムに劇的な逆転勝ち、そして今節は先に行われた試合でダルムシュタットが敗れた事で、勝てば昇格が決まる条件になったシャルケ。
相手はリーグ5位でまだ昇格の可能性を残しているザンクトパウリ。シャルケのホームスタジアムであるフェルティンス・アレーナには、もちろん満員のサポーターが詰めかけた中での試合。
シャルケのフォーメーションは4-2-3-1で、板倉は右CBとして先発。対するザンクトパウリは中盤ダイアモンドの4-4-2の形だが、コロナ感染者が続出してメンバーが6人変わっている。
試合は最初からホームのシャルケが圧倒、開始7分で6本のシュートを放つ猛攻を見せるが、先制したのがザンクトパウリ。9分にカウンターから左サイドを崩して板倉が釣り出されたところでクロス、中のカバーがかぶってしまい、最後はマタノヴィッチが決めてゴールする。
そこからは中盤フラットの4-4-2に変更してマッチアップを明確にしたザンクトパウリに対してシャルケは攻めあぐね、前半16分にはシャルケGKフライズルがまさかのプレゼントパス、これをアーヴァインに拾われて、マタノヴィッチがフェイントからシュート、板倉がスライディングも届かず2点目を決められる。
シャルケは前半23分に、板倉がCKから自身のヘディングで落としたボールを押し込んだに見えたが、その間で腕に当たっていたようで残念ながらゴールならず。33分には板倉がマタノヴィッチに対してタックルを仕掛けるも、一瞬間に合わず入れ替わられてしまったが、幸いにもシュートまで行かず。
その後もシャルケは何度もチャンスは作るのだが、かえってプレッシャーのせいかゴール前での冷静さ、余裕を欠いてせっかくの決定機をことごとく外してしまう。日本代表でもよく見た光景である。
0-2というビハインドで迎えた後半2分、いきなりテロッデがPA内でメディッチに後ろから倒されPK、テロッデがこれを冷静にGKの動きを呼んで決め、シャルケが1点差に追いつく。後半15分頃にはザンクトパウリも反撃するが、板倉のナイスカバーで失点を許さない。
すると後半26分、シャルケはDFのロングボールからチュルリノフが競り合い、浮いたこぼれ球をテロッデがフリーで押し込みシャルケがとうとう同点に追いつく。30分には、ザンクトパウリのCKから完全なフリーになっていたバイフスがボレーも、シャルケGKフライズルが体で止めて絶体絶命のピンチを切り抜ける。
逆に後半33分、シャルケはカウンターからテロッデのポストを受けたビュルターがドリブル、PA内で冷静に逆サイドに走り込んでいたサラザールにパス、GKとの1対1からニアを撃ち抜くシュートを決めてシャルケが逆転に成功する。
ザンクトパウリは後半35分にフリックスに対してバイフスが後ろから足裏を見せたタックルを見舞って一発レッド。ロスタイム5分には、マタノヴィッチが2枚目のイエローで退場、これでザンクトパウリは万事休す。シャルケは3-2で逆転勝利、見事に昇格を決めてスタジアムはサポーターがピッチになだれ込んでお祭り騒ぎとなった。
板倉は異様な雰囲気の前に、前半はプレイが固くてミスもあったが、後半は多少慣れて積極的な攻め上がりや、素早いカバーリングが見られてまずまずのプレイぶり。来期に1部でCBとしてプレイするにはまだフィジカルが足らないかなと思うが、ひとまずはおめでとうだね。