今シーズンはチャンピオンズリーグ出場権は堅いと見られていたフランクフルトだったが、ヒュッター監督がまさかのボルシアMGでの来期就任を発表、その直後に行われたボルシアMG戦で0-4の大敗を喫すると、33節には降格が決まったシャルケに3-4で敗戦、4位のヴォルフスブルクと勝ち点4の差がついてしまい、チャンピオンズリーグの夢を絶たれてしまった。
選手のモチベーション低下もあったのだろうが、個人的に疑問だったのはそこまでボランチで起用して来た長谷部を、終盤になって先発から外したり、CBで使ったりと起用法が一定しなかった事。特に長谷部が中盤の底でシンプルに縦パスを繋ぐ事で攻撃のリズムを作っていただけに、それをヒュッター監督がわざわざ放棄する理由が分からなかった。
そこまでして若手を育てると決めたのなら仕方ないが、最終節のフライブルク戦ではまた長谷部を3-4-2-1のボランチで起用と、全くわけが分からない。これでは、わざとチャンピオンズリーグの出場権を放棄したと見られても仕方ないのではないか。
さてこの試合はホームのフランクフルトがボールを保持する流れで始まるが、フライブルクはコンパクトな布陣でフランクフルトに単発のチャンスしか作らせず、逆に15分頃はフランクフルトに対して連続攻撃で畳み掛けるが、ブンデス初先発の19歳GKベルドナーが頭を蹴られながらしっかりセーブする。
前半38分には、鎌田が蹴った直接FKがPA内でバウンドして直接ゴールへ向かったが、フライブルクGKフレッケンにセーブされる。それぞれ単発のチャンスはあったがスコアは動かず前半を無得点で折り返す。
後半に入って7分、コスティッチのキープから折り返しを鎌田がシュートも右へ外れる。その後も長谷部や鎌田が高い位置でボールに絡み、フランクフルトが連続攻撃を仕掛ける。すると後半16分に、その前のCKの場面でハベラーがハンドを犯したというVARの判定でフランクフルトにPKが与えられ、アンドレ・シウバがきっちり決めて先制。
後半23分にも、鎌田がバイタルでパスを受けてターンからスルーパス、アンドレ・シウバが折り返すも相手に当たる。後半32分には、フライブルクが反撃を見せてサイドから揺さぶって最後はチョン・ウヨンに決められ同点に追いつかれる。そして鎌田は35分に交代で下がる。
その後も攻勢を続けるフランクフルトは、後半42分に右からのFKにフリーのトゥレが右足で押し込み勝ち越すと、後半ロスタイムにもコスティッチのクロスにフリーのアッヘが合わせて3点目のダメ押しで試合終了、終わってみれば3-1の快勝でやっと強いフランクフルトが戻って来た最終節だった。
長谷部がボランチにいないと鎌田に縦パスが入らず、攻撃はコスティッチのクロスにアンドレ・シウバのヘディング頼りになってしまい、終盤にコスティッチが調子を落とすと一気に順位を下げてしまったので、長谷部自身の調子もあるとは言えボランチから外す選択が多かったのは、監督には勝つ気が無かったと思われても仕方ない采配だったように思う。
チャンピオンズリーグを逃した事で、アンドレ・シウバやコスティッチ、鎌田らには移籍の話が出て来るだろう。長谷部は当然残るだろうが、あえて上を目指さないフロントの姿勢を考えたら、移籍できるならさっさと出たほうが良いクラブなのかもしれない。