「やっと、対バルサ戦術を川崎に応用するチームが登場した」J1第26節 川崎フロンターレ-コンサドーレ札幌

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今節一番の番狂わせ、現在リーグ12連勝と絶対的な強さで首位を独走する川崎を、13位の札幌がアウェイでクリーンシートの2-0で完勝した試合。

川崎がレアンドロ・ダミアンの1トップに、シャドーに齋藤学と家長を置いた4-3-3で、札幌が荒野、チャナティップ、駒井の3トップを並べた3-4-2-1と表記上はいつもの形なのだが、ミシャ監督が仕掛けてきたのはオールコートマンマークの戦術だった。

札幌は、川崎のCBには2シャドーがプレスをかけ、アンカーの守田には荒野が下がって付き、SBにはWBが寄せて満足なビルドアップをさせず、逆に自陣でボールを持った時には、3バックの間に宮澤が下がって4バックを形成、川崎の3トップに対して数的優位を作り、サイドチェンジでプレスを回避しつつサイドの高い位置で基点を作って攻め込んだ。

ルーカス・フェルナンデスがフリーでシュートを撃った場面など、札幌は序盤に何度かチャンスを作ったが決められず。しかしその後も札幌はチャナティップのドリブルや、アーリークロスに荒野が合わせた形、右サイドのクロスに駒井がスルッと抜け出して足に当て損ねたシーンなど、前半は札幌のリズムが続く。

ここまで単発のミドルぐらいしかシュートを打てなかった川崎だったが、前半41分に菅野のミスパスを拾った旗手が齋藤学にスルーパスもオフサイド、せっかくのプレゼントをフイにしてしまう。

川崎は後半から旗手と脇坂に代えて三苫と田中碧を投入、家長がインサイドハーフに下がる。そして攻撃時にウイングとSBが縦に並び、札幌のWBに対して数的優位を作ってサイドを攻めるようになり、ようやく川崎がボールを繋げるようになる。

しかし先制したのは札幌。後半17分に交代で入った直後のアンデルソン・ロペスが、駒井が高い位置でボールを奪ってからのパスを冷静に流し込んだ。さらに20分にも、また高い位置で家長のキープを奪い、ドゥグラス・オリヴェイラの折返しを荒野がきっちり押し込み鮮やかな2点目。

ここで川崎は、先日に今シーズンでの引退を表明した中村憲剛と宮代を投入。中村はそれまでの川崎に無かった、ワンタッチでのパス回しを見せて早速リズムを作り出すと、田中碧のスルーパスに宮代が抜け出すがシュートを防がれる決定機。

その後も川崎が圧倒的にボールを支配し、札幌をPAの中に押し込めて窒息させるが、宮代のシュートは福森が足に当てるなど札幌の集中力は最後まで欠けず、逆にアンデルソン・ロペスにボールを集めてカウンターを仕掛ける場面も。

最後は石川、早坂を入れて中盤を厚くして札幌がプレスを強化、ロスタイム3分の田中から三苫へのスルーパスからシュート、4分の宮代のヒールから田中碧のシュート、さらに三苫のヘッドも菅野が防ぎ、最後までしっかり守り切ってクリーンシートでの勝利を飾った。

札幌が良くやったのは確かだが、かつて全盛期のペップバルサのティキタカ・パスサッカーを苦しめたのがマンマーク戦術だった事を考えると、もっと札幌のような守備をするチームが出て来るべきだったと思う。

川崎は、相手が想定外の事をして来た時に、適切に試合を読んでフォロー出来る、中村憲剛と大島が不在だった事が響いた。中村の引退宣言でチームメイトの気が抜けたところもあったのかもしれないね。

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