ルヴァンカップのグループBは、コロナウイルスの影響で松本山雅が出場を辞退、松本山雅と試合をしていない浦和と仙台には自動的に勝ち点3が与えられるため、この試合で仙台がセレッソに勝てば3チームが勝ち点6で並ぶ事態になる。しかし、当該チーム同士の得失点差と他グループの2位との関係で、仙台の勝ち抜けには5点差以上の勝利が必要な厳しい条件。
仙台が完全ターンオーバーなのに対し、引き分け以上で1位抜けが決まるセレッソはブルーノ・メンデス、奥埜、ヨニッチ、松田、キム・ジンヒョンと結構レギュラーを残しての先発となった。フォーメーションはどちらも4バックで4-2-3-1と4-4-2の形。
試合は大勝が必要な仙台がまず攻勢に出る。サブメンバーではあるが、マイボール時にボランチの中原が下がって3バックを形成、SBが高い位置を取って基点になるお手本のようなビルドアップで攻撃を組み立てる。
が、序盤は押されたセレッソは前半15分に突然高い位置からプレスを仕掛け、奥埜が奪ったボールを拾った柿谷が、カットインから見事なミドルを決めて早速セレッソが先制点をゲット、いきなり仙台はミスを突かれて苦しくなる。
さらに前半33分、仙台はせっかくパスカットしたのにすぐ柿谷にボールを奪われ、スルーパスに抜け出した高木に、DFがタックルしてGKがボールに触りながらも高木に拾われ、2点目のゴールを決められてしまう。
ここから仙台は3バックへと変更、守備時は5バックになってセレッソに使われていたサイドのスペースを埋めにかかる。しかしセレッソは45分、DFからのロングボールをブルーノ・メンデスが照山との1対1で競り勝ち、そのままゴールを決めて3点目、試合はほぼ前半で決まってしまった。
ハーフタイムで互いに選手を交代、後半は仙台が4-4-2のフォーメーションにまた変更、前半と同様にボールを保持して徹底してサイドを突く攻撃を仕掛ける。15分にサイドチェンジを受けたパラからのクロスに山田が飛び込むが決められず、仙台はビッグチャンスを逃す。
その後も仙台が左サイドのパラを中心にペースを握る時間が続くものの、セレッソは3ラインでコンパクトなブロックを形成、クロスを上げられても中でしっかり跳ね返す守備で耐え忍ぶ。32分にはまた仙台がパラ、飯尾の連続クロスに西村が飛び込む惜しい形。
最後はセレッソが清武らを入れて試合のコントロールを取り戻し、4分のロスタイムでもスコアは動かず0-3で試合終了。セレッソが勝ち点3を積み上げたため首位を確定、グループ2位の浦和は他グループの勝ち点に及ばず仙台とともにグループリーグ敗退が決まってしまった。
仙台は思ったよりもちゃんとチームになっていて戦術もある程度統率が取れていたが、いかんせん経験の足りなさ故か致命的なミスと、対人スキルの低さが失点に繋がってしまった。力の入れどころと抜きどころを把握する能力、ピッチ全体を使ったゲームコントロールの部分でセレッソが一枚上だったのは間違いない。