「気まぐれな勝利の女神に二転三転、最後は新井のスーパーセーブが川崎に初栄冠をもたらす」ルヴァンカップ決勝 コンサドーレ札幌-川崎フロンターレ

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どちらも勝てばルヴァンカップ初優勝となったこのカード。

戦前の予想では、過去4回も決勝に進出している川崎に比べ、札幌は初めての大舞台に浮足立つのではないかと思われていたのだが、蓋を空けてみれば地に足がついていたのは札幌の方だった。

川崎は前からプレスに行こうという姿勢は見られたのだが、前線と守備陣の意識が乖離していて、ファーストプレスを掻い潜られるとあっという間にゴール前までボールを運ばれれるシーンが多く、特にカウンターでWBがオーバーラップした時にボールが渡ると、SBの対応が間に合っていなかった。

先制点もまさにそういう形から最後はクロスのこぼれ球を拾った菅が決めたもので、その後も鈴木武蔵のシュートなど、あわや2点目というシーンは何度もあった。

しかし前半途中から川崎が完全にボールを支配、札幌は3バックが目の前の相手に都度個人の判断で対応しているのが見え見えで、一度家長がダイアゴナルの動きでPAに入って来た時には誰も反応できず、川崎のPA内への人の出し入れに対応できないまま、前半ロスタイムにセットプレイから阿部のゴールで同点にされてしまう。

後半もゴール前で人を捕まえきれない札幌は、阿部、脇坂と立て続けに決定的なシュートを打たれるが、かろうじて防ぐ立ち上がり。ここで札幌はアンデルソン・ロペス、川崎は中村憲剛を投入するも、まもなく試合は膠着状態に。

そのまま延長が見えたかと思った後半43分、川崎は一瞬のスキに大島のパスに反応した小林悠がDFライン裏へ飛び出しゴール、これが決勝点かと思われた。札幌はパワープレイに切り替えるものの、跳ね返されてこのまま試合は決まるかと思われたロスタイム5分のCK、深井がまさかのヘディングを決めて延長へ。

さらに川崎にとっては逆境が続く、延長早々にチャナティップのドリブルを谷口が倒し、一度はイエローが提示されたがVARで覆され一発レッド、そのFKを福森が完璧なコースに決めてとうとう札幌が逆転。

諦めない川崎は数的不利にも関わらずボールを支配、札幌も無理には攻めずゴール前を固める展開。そして延長後半5分、CKから中村憲剛が折り返したキックを小林悠が押し込み、またまた川崎が追いつく。その後は札幌が前に出て来て川崎陳内でのプレイが続くが、単調なクロスが多くてシュートまでは行けず120分が終了、勝負はPK戦に。

PK戦でもさらにドラマは続き、そこまで全員が成功する中、川崎は4人目車屋がクロスバーに当てて失敗、4-4でこれを決めれば札幌が優勝というシーンで、石川のキックは川崎GK新井が見事にコースを読んでスーパーセーブ、これで気まぐれだった勝利の女神も観念したのか、サドンデスに入って6人目、進藤のキックは魅入られたかのように中へ飛んで新井がキャッチ、川崎が劇的な初優勝を飾った。

いや、昨日はイベント準備の疲れがあって試合の前半だけを見て寝てしまったんだけど、まさかこんな劇的な展開になっているとは思わなかった。とにかく戦術云々よりも、両チームが見せた素晴らしい試合に拍手を贈りたい。

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