「若い世代が空回り、横綱相撲で勝てる時代はとっくに終わっている」フランス・女子ワールドカップ グループH 日本-アルゼンチン

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フランス女子ワールドカップが開幕、なでしこジャパンの初戦はアルゼンチン戦。日本のスタメンはGK山下、DF鮫島、南、熊谷、清水、MF長谷川、三浦、杉田、中島、2トップが横山と菅澤の4-4-2、対するアルゼンチンは4-1-4-1のフォーメーション。

序盤はコンパクトな守備を引くアルゼンチンに対して、日本はボールを保持してサイドから攻めようとするが、中をきっちり締められて攻めあぐねる展開。それでも前半9分に狭いところをパスで抜けた中島がファーストシュート。

アルゼンチンの守備は典型的なゾーンマンマークで、アルゼンチン陣内に入ってからの寄せは非常に早いが、カウンターにはさほどスピードが無く、1トップのハイメスに当てるだけなので怖さはあまり感じない。

しかし日本も序盤よりもワイドに守るようになったアルゼンチンに対して、ボールの出しどころに困ってミスパスが増え、攻撃のリズムがなかなか作れなくなる。そして互いにシュートがほとんど打てないまま前半を終了する。

後半5分、バイタルで縦パスを受けた横山がシュート、GKがセーブしたこぼれ球を菅澤が狙うもボールは大きく枠外へ。さらに後半11分、清水の突破から中でフリーになっていた長谷川がシュートもアウトにかかってしまいゴールならず。横には菅澤もフリーだったのに二重の意味で痛いミスだった。

ただこの時間帯からアルゼンチンのプレスが緩くなり、日本が徐々にバイタルで基点を作れるようになる。が、その分アルゼンチンもカウンターを仕掛けるスペースが生まれるようになり、28分にはクリアミスを拾われシュートまで持っていかれるシーンも。

日本は30分に中島から遠藤を入れ、1トップが菅澤、2列目が遠藤、長谷川、岩渕の4-2-3-1に変更する。そしてアルゼンチンも次々に選手を投入、ゲームプランなのだろうが、それまでよりも前に出て来るようになる。

ロスタイムには遠藤のクロスから長谷川のシュートという決定機もあったがGKに防がれ、そしてそのまま試合終了。日本は勝ち点1を手にしたが、引き分けで喜ぶアルゼンチンを見ても分かる通り、勝てる試合をものに出来なかったのも事実。

やはりFWが厳しくマークされて基点になれなかった事と、長谷川、杉田といった若手と周りが噛み合わず、アタッキングサードに入ってからのミスが多くて崩しきれなかった。そして戦術面でも、相手が4-1-4-1で来るのが分かっていたのに、4-4-2と4-2-3-1のフォーメーションに固執したのも疑問。

この場合は4-3-3の形にして中盤でポジションのミスマッチを作り、相手アンカーの両脇をインサイドハーフやウイングが使って崩すのがセオリーなのだが、結局最後までFWとボランチの役割分担は曖昧だった。

次の相手はグループ最強のイングランドに対して好ゲームを見せたスコットランド。ここで勝てないと決勝トーナメント進出は相当厳しくなってしまう。変に構えた横綱相撲の真似はやめて、相手を研究し尽くしてなりふり構わず勝ちを取りに行く日本が見たい。

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