「コンビネーションや閃きは、まず個の力があってこそ」U-17W杯 グループD 日本-アルゼンチン

スポンサーリンク

初戦でポーランドに勝利した日本と、セネガルに負けたアルゼンチンとの対戦。この試合の前に行われたセネガル対ポーランドは4-1でセネガルが圧勝、グループリーグ突破には是非ともアルゼンチンに対する勝利が欲しいところ。

日本のスタメンは4-4-2で、GK後藤、DF小杉、土屋、本多、柴原、ボランチが山本、中島、2列めが吉永、佐藤、FWが道脇と高岡とメンバーを大きく入れ替えてきた。対するアルゼンチンは中盤ダイアモンドの4-4-2のフォーメーション。

試合はアルゼンチンの球際の強さとドリブルの威力に圧倒され、5分に相手にファールを与えると、いきなり直接FKをエチェべりに決められ失点。7分には小杉がドリブルであっさり突破され、折返しを決められあっという間に2点差を付けられる。

日本は何とか攻撃で縦パスを入れようとするのだが、アルゼンチンのプレッシャーで判断に余裕が無く、相変わらず受け手との意思疎通が無くてあっさりミスになってしまう。それでも32分、相手の攻撃をカットして高岡が前を向いたところで倒され相手にイエローカード。

39分には日本が高い位置でボールを奪い、道脇が切り返しからシュートも枠の左に外れるが、日本は初めての決定機を作る。前半ロスタイムにも右から攻めて高岡がシュートも大きくバーの上と、少しずつ日本が形を作れるようになる。

後半から日本は道脇に代えて、初戦で先発した井上を投入。ポストよりも裏抜けを狙った采配に切り替える。日本はようやくアルゼンチンのプレスに慣れ、中盤で前を向いてビルドアップが出来るようになる。

すると後半5分、右サイドで柴田がドリブルを仕掛け、ゴールラインをえぐっての折返しを高岡がフリーで合わせて1点を返す。18分には佐藤のミスからエチェべりがシュート、GK後藤が横っ飛びで弾いてのこぼれ球に再び飛び込まれるが、これも後藤が防ぐスーパープレイ。

後半26分に吉永から川村にスイッチ。日本は何とか同点にすべく攻めに出るが、アルゼンチンも上手くのらりくらりと攻勢を凌いでロスタイム、6分にCKから高岡がヘッドもゴール右。するとロスタイム9分、日本は佐藤の独りよがりなスルーから攻め込まれ、シュートが本多の足に当たってゴールイン、これで勝負は決まってしまった。

日本は後半に盛り返したが、佐藤のヒールから失点した場面が象徴するように、ヒールやスルーといった奇策ではなく、最後はあくまで個の能力である、相手のマークを剥がす、1対1で抜ける、そういう力が無いと世界で得点を奪えないという現実を味わったことだろう。

最終戦の相手は、個人能力では大会で抜きん出ているセネガル。グループ3位でも上位4チームが突破できるレギュレーションを考慮すると、引き分け以上が必要な試合。今回の苦い経験を活かして相手のパワーに負けない試合の入り方をしていただきたい。

タイトルとURLをコピーしました