「ヴィンゲゴーはポガチャルを突き放すチャンスを手放す」ツール・ド・フランス2023 第15ステージ

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アルプス山岳ステージ3連戦のラストは、今大会最後の頂上ゴール、サン・ジェルヴェ・モン・ブランが待ち構える長いステージ。

スタートから当然アタック合戦が続き、ようやく30kmを超えたあたりで20人以上の逃げ集団が形成、その中からさらにルツェンコとアラフィリップの2人が抜け出す。後方のメイン集団では、ユンボ・ヴィズマのファン・ホーイドンクが観客と接触、これで集団落車が発生して逃げ集団と差が広がる。

最初の1級山岳ラ・フォルクラ・ド・モンミンで2人とメイン集団との差は8分、追走集団からは山岳賞を争うチッコーネとパウレスが3位争い、チッコーネが制してポイントを10点差に詰める。下りでルツェンコとアラフィリップは追走集団に吸収され、38人の逃げに変わる。

2つ目の1級山岳ラ・クロワ・フライで、ハラーが単独で抜け出すも追走集団からチッコーネらがアタック、これでパウレスが遅れてしまう。頂上では結局チッコーネが山岳ポイントを獲得、これでチッコーネはパウレスとポイントで並ぶ。

次の3級山岳アラヴィス峠で、マルコ・ソレルが飛び出しファンアールトが追走、そこにニーランズとプールスが合流して4人のアタックが決まる。しかし峠の下りでニーランズが落車、逃げは3人に減ってしまう。そして激坂の2級山岳コート・デ・アメランに入るまでにソレルが遅れる。そして上りでプールスがペースアップすると、ファンアールトも遅れだす。

そして最後の1級山岳、サン・ジェルヴェ・モンブランへの上りに差し掛かると、UAEチームが牽引するメイン集団はわずか7人に絞られ、ユンボ・ヴィズマはヴィンゲゴーとクスすか残されていない。そしてヒンドレー、カルロス・ロドリゲスもジリジリ離され、残り5kmの地点でアダム・イェーツ、ポガチャル、ヴィンゲゴーの3人にまで減ってしまう。

残り2.5kmから何とアダム・イェーツがペースアップすると、ポガチャルがついて行けず、ヴィンゲゴーもポガチャルマークでそのまんま、ペースが落ちてカルロス・ロドリゲスが追いついてしまう。さらにロドリゲスにまで抜かれてしまったために、仕方なくヴィンゲゴーが追走、ポガチャルが3番手に下がる。

ポガチャルの調子が悪いのか三味線なのか不明なものの、ここでヴィンゲゴーはポガチャルを突き放すチャンスだったように見えるが、アシストのクスが不在でギャンブルするわけに行かず、ロドリゲス、ヴィンゲゴー、ポガチャルの3人は固まったまま動かず。

先頭ではプールスがそのまま逃げ切り勝利、ファンアールトは粘ったが2分8秒差での2位。6分後にやって来た3人からは最後にポガチャルがアタックするが勢いが無く、難なくヴィンゲゴーが追走して最後は並んでのゴール、2人にタイム差はつかずアルプスステージは終了した。

休養日を挟んだ第16ステージは、今大会唯一の個人タイムトライアル、22.6kmと距離は短いが2級山岳が間に入って上り切る、実質的に山岳タイムトライアル。今日のステージであえてポガチャルを突き放しに行かなかったヴィンゲゴーの選択がどう出るか、最後に走る2人に注目するしか無い。

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