「スペインを自滅に追い込んだ日本戦のトラウマ」カタールW杯ベスト16 モロッコ-スペイン

スポンサーリンク

クロアチアのいたグループEを首位で突破したモロッコと、日本がいたグループFを2位で通過したスペインとのベスト16。モロッコのフォーメーションは4-1-4-1で、スペインはアセンシオが1トップに入った4-3-3という形。

間違いなくモロッコは日本とスペインの試合を研究して臨んでおり、4-1-4で極めてコンパクトなラインを作ってガビ、ペドリのインサイドハーフにボールを入れさせないようにして、スペインが仕方なくサイドにボールを回してからのクロスについては、フィジカルとスピードを活かして跳ね返す。

日本が取っていた5-4-1に比べて、モロッコは両SHがスペインのSBに対してプレッシャーをかけやすいために、ラインをそれほど下げずにスペインのボールを押し返す事が出来ていて、スペインは日本の試合よりも決定機を作り出す事が出来なかった。

後半の終わりごろになって、モロッコの体力が落ちてプレスの出足が遅くなり、後半ロスタイムにスペインがセットプレイの機会を続けて得るものの、フリーだったシュートの場面に決められず延長へ。

延長に入って、スペインはニコ・ウィリアムズの強引なドリブルでリズムを作って押し込むが、モロッコは14分に交代で入ったシェディラがワンツーから抜け出しシュートも、ウナイ・シモンが足で止める決定機。

延長後半ロスタイムに、スペインは右サイドで完全なフリーになっていたサラビアがクロスに合わせてゴール前5mの地点からシュートも、ボールはポストをかすめて千載一遇の好機を逃してしまう。そしてとうとう120分間でスコアは動かずPK戦に。

PK戦では、まるで日本をなぞるかのように最初のキッカーであるサラビアがゴールポストに当て、ソレール、ブスケツとまさかの3人連続失敗。モロッコも、これもクロアチアと同じく3人目は失敗したものの、4人目のハキミが屈辱のパネンカを決めてモロッコがベスト8に勝ち抜けた。

スペインは日本戦の敗戦がトラウマになったのか、ボールを奪われてカウンターを食らうのを恐れるあまり、本来のインサイドハーフにボールを当ててから始まる攻撃が全く見られず、ひたすらサイドからボールを運ぶ攻撃に終始。モロッコの高いラインに対しても、クロアチアのように中盤の選手が飛び出すようなシーンも無く、とにかく臆病で消極的。PK戦に入った時には選手の顔がこわばっていて、既に追い詰められていた印象だった。

モロッコはフィジカルとスピードがあり、スペインにしてみたら日本と違ってクロスが通用しないだけに、守ると非常に硬い。攻撃はそんなに決定力が無いので、ベスト16で爆発したポルトガル相手にどこまで守り倒せるか。かなり分が悪い戦いになるのは間違い無さそうだ。

タイトルとURLをコピーしました