前節はボーフムに苦杯を喫したフランクフルトは、CLスパーズ戦も負けて長谷部が怪我で欠場と、苦しい状況で15位のレヴァークーゼンを迎えた第10節。
フランクフルトは長谷部の代わりにヤキッチがセンターに入った3バックで、鎌田は3-4-2-1のボランチで先発。前節からシャビ・アロンソが監督に就任したレヴァークーゼンも同じフォーメーションでマッチアップする配置。
試合はホームのフランクフルトがボールポゼッションで上回る流れで始まるが、DFラインでボールを持った時には、鎌田に対面の左ボランチ、アランギスが終始マークに付いていてビルドアップに参加できない。その分、積極的に守備を仕掛けてボールを奪って攻めようという割り切りが見える。
それでも前半10分に鎌田とゲッツェのコンビネーションからコロ・ムアニが抜け出すが、相手にギリギリ防がれる。直後に鎌田がPA内で相手の足に引っかかって倒れるがノーファール。12分にはリンストロムが受けたファールから鎌田が直接FKで狙うがGKにキャッチされる。
その後はフランクフルトも攻撃のペースが落ち着き、一進一退の攻防が続く。28分にもゲッツェからリンストロムのスルーパスにコロ・ムアニが抜け出すが、またレヴァークーゼンGKフラデツキーに防がれる。
レヴァークーゼンも34分にディアビのドリブルからクロスにフリンポンがフリーで合わせるもバーの上という決定機。45分にはコロ・ムアニが完全にDFラインの裏に抜け出すが、タイミングを逃してシュートまで行けない。
しかし前半のロスタイム、リンストロムが左サイドを抜け出して、中へ仕掛けたドリブルに対してタプソバが後ろから足を出してしまいPK。コロ・ムアニのキックはフラデツキーに止められたが、VARでGKが先に動いたという判定でやり直し。二度目は鎌田に交代、これを右にしっかり決めてフランクフルトが先制する。
1点ビハインドのレヴァークーゼンは、後半から選手を代えて3-1-4-2のようなフォーメーションに変更。フランクフルトが対応にバタバタする中、11分に右サイドからのFKにインカピエがダイビングヘッドを決めて同点。
しかしフランクフルトはその2分後に、鎌田からオーバーラップして来た左WBのレンツにパス、クロスにコロ・ムアニがドンピシャで飛び込んでレヴァークーゼンを突き放す。さらに15分にはコロ・ムアニのスルーパスからリンストロム、またレンツのクロスにエビンベと立て続けに決定機。
そして後半20分、相手のバックパスを拾ったリンストロムがそのままドリブル、シュートはカバーに戻ったインカピエの足に当ってゴールが決まり、フランクフルトが追加点。さらに後半25分、コロ・ムアニの飛び出しにインカピエがスライディング、これがVARでPKと判定され、インカピエは2枚目のイエローで退場する。このPKを鎌田が今度は逆のコースに決めて4点目。
ここでフランクフルトは余裕の4人替え、最後に入ったアラリオが後半41分にゲッツェとボレの崩しからゴールを決めてダメ押しの5点目、直後に鎌田も下がってそのまま5-1で試合終了。
鎌田はPKによる2ゴールを重ねてこの試合のMVP、そしてリーグ戦では得点ランク4位の6ゴール、アシストを含めたスコアポイントは2桁に乗った。が、鎌田の良さはバイタルでのテクニックと視野にあると思っているので、ボランチだと宝の持ち腐れのように見える。リンストロムは絶好調、ドイツのアイドルゲッツェは外せないし、3バックを採用する限りはボランチ確定なのが悩ましいところだ。