「酒井宏樹が見せた、”世界標準”の仕留めきる力に救われた浦和」アジア・チャンピオンズリーグ準決勝 浦和レッズ-全北現代

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いや~、前半の11分に酒井のインナーラップからの折り返しに松尾が合わせて先制点を取った時には、もっと浦和が余裕を持って勝てるんじゃないかと思ったし、延長後半の116分に勝ち越しゴールを決められた時には、これは負けたと観念したんだけど、どちらもひっくり返されるとは思わなかったね(笑)。

会場は浦和のホームだったし、ポゼッションは終始浦和レッズが優位に立って、シュート数は27対17、枠内シュートは10対3とスタッツでは圧倒的に浦和が勝っていたんだけど、そういう時に限って勝てないのはACLや代表のアジア予選ではよく見る光景だからね。

その理由の第一は、日本の選手は農耕民族の性なのか(?)戦況的に自分たちが有利になればなるほど、「これならいつでも点を取れるな」と安心して足を止めてリスクオフのパス回しになってしまい、ゴールに向かう姿勢が欠けてしまう事。

せっかくカウンターになりそうな場面でも、安全を優先してあっさりバックパスして攻撃のスピードを止めてしまう。そして決定的なクロスやシュートのチャンスはあっても、周りの選手はすっかり足を止めていて、こぼれ球があっても反応できない。

逆にKリーグの全北は、ずっと浦和にボールを支配されて劣勢を強いられながらも、同点ゴールのシーンではドリブルからスルーというリスクを犯したプレイでPKをもぎ取り、延長後半の11分に勝ち越したシーンでも、サイドでのヒールパスからクロスでCKを奪うなど、要所でリスクをかける姿勢、「ここで仕留める」という迫力で上回っていた。

しかし、そんな浦和の予定調和に一人で抗っていたのが酒井宏樹だった。誰もが諦めかけていた延長後半15分に、右サイドで相手のパスを豪快なスライディングでカット、そのままモーベルグをオーバーラップ、クロスを上げた後には足が攣って起き上がれなかったが、最後はユンカーが決めて同点。

PK戦では、PKに弱い西川を起用している浦和が不利になるかと思いきや、全北は2人目までのキッカーがともに西川に止められてしまい、浦和は3人目のモーベルグが裏をかきすぎて止められてしまったが、4人目の江坂が冷静に決めてようやく決着。浦和が来年2月に待ち受ける決勝へと駒を進めた。

試合のMOMは西川ではなく酒井だったが、まさに彼が居てくれたからこそ勝てた試合。勝負どころで全力を出し切ってリスクを取る姿勢はまさに”世界標準”。全てのJリーガーが見習うべきではないだろうか。

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