「ギリギリ最後にフランス人の優勝が滑り込む」ツール・ド・フランス2022 第19ステージ

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さすがに今年は、1999年以来フランス人選手が1度もステージ優勝できないツール・ド・フランスになるのは確実だと思われていたのだが、まさか最後になってこんな結末が待っているとは予想もしなかった。

第19ステージは、フランスの南西部を走るカステルノ・マニョアック~カオールの188.3km。翌日の第20ステージが個人タイムトライアル、日曜日が最終のシャンゼリゼゴールという事で、逃げ屋にとってはラストチャンスとなるレース。

スタートから全員がハイペースで飛ばし、なかなかアタックが無かったが4kmほどでボリッツ、シモンズ、ファンデルホルン、モホリッチ、ホノレの5人の逃げ集団が形成される。ただメイン集団は最大でも1分半の差しか許容せず、ハイペースの展開が続く。

途中でデモのためにいったんレースが中断されるアクシデントはあったがすぐに復帰。38kmの中間スプリントは逃げ集団の後はメイン集団からフィリップセンが先頭を取って、ファンアールトは2番目。しかしファンアールトは十分な点差があるのでマイヨヴェールはほぼ手中にしている状態。

その後、ロット・ソーダルやアルペシン・ドゥクーニンク、バイクエクスチェンジなどスプリンターを抱えるチームがペースアップ、残り122km地点で逃げ集団は捕まるかと思われたが、ホノレがスパートを仕掛けて再びリードを広げ、ここでボリッツだけが脱落する。

残り53km地点の4級山岳ロゼルトの街でシモンズとモホリッチがアタック、メイン集団とは1分差。さらに先頭の2人からシモンズが単独アタックするが、残り35km地点でとうとう吸収、トップはメイン集団に変わる。

しかしすかさず、グジャール、フレッド・ライト、スタイベンの3人がメイン集団からカウンターアタック。それに釣られて?ポガチャルもアタックするがこれはすぐにファンアールトが反応して潰される。

ゴール4kmを切っても、メイン集団を引っ張るのはユンボ・ヴィズマのみ。昨日までのハードな山岳ステージでの影響と、このステージでも序盤からのハイペースで疲れているのか、スプリンターチームは一向に上がって来ない。

あれよあれよという間に、5秒の差を保ったままで逃げの3人は残り2kmを通過。ここで追撃中のメイン集団からトタルとラポルトがふわっと抜け出し、トタルは後続を待ったためにラポルトだけが3人に追いつく。

残り1km地点でフレッド・ライトがアタック、スタイベンとラポルトが反応して追いつき、坂道になった残り500mになってラポルトが満を持してスパート、そのまま逃げ切って今大会フランス人にとって初めての勝利をゲットした。

ユンボ・ヴィズマにとっては、おそらくファンアールトがステージを取りに行こうと思えば行けたはずだが、マイヨヴェールはほぼ確定しているし、チーム内で容認された忖度だったんだろうね。さぞかしマクロン大統領もお喜びだろう。

さて今日の第20ステージは、総合順位の結果を決める40.7kmの個人タイムトライアル。近年にしては珍しいロングレンジのコースで、TTスペシャリストにとっては大きく順位をジャンプアップさせるチャンス。ヴィンゲゴーもトラブルがあればまだ分からないだけに、緊張感のある戦いになりそうだ。

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