第17ステージは、サンゴダンスからペラギュードまでの129.7km。序盤は平坦で距離が短いコースのため、レースは比較的おとなしい立ち上がり。
2人の逃げが試みられたが、32.9km地点のスプリントポイント前に吸収され、アシストを使ったフィリップセンが先頭、2位がファンアールトで通過。再び逃げを狙ったアタックが繰り広げられる。
残り85km地点でドゥルとボアヴァンの2人が抜け出し、80km地点で20秒の差を付ける。そしてピレネー伝統のアスパン峠への上りに入る。するとフランスのティボー・ピノがルツェンコと一緒にアタック、後続からは山岳賞のゲシュケを含む集団がリード、さらに後ろのメイン集団ではユンボ・ヴィズマが前に出てコントロール。
残り66km地点で昨日は遅れてしまったフランスのバルデがメイン集団から抜け出す。アスパン峠はピノが先頭、ゲシュケはそこから20秒差の3位で通過、メイン集団は1分16秒差で通過する。
2級山岳アワーケット・ダンシザンに差し掛かったところでは、ピノとルツェンコが先頭、30秒差でゲシュケの集団、17秒差でバルデ、メイン集団は1分46秒差でUAEのビョーグが引っ張る展開。
アワーケット・ダンシザン頂上ではピノが先頭、1分差で続く追走集団の中ではゲシュケが遅れ、チッコーネが山岳賞の差を詰める。メイン集団はそこから30秒差で通過する。
次の1級山岳、ヴァル・ルーロン・アゼ峠の上りでピノとルツェンコの逃げが追走集団に吸収され、UAEが率いるメイン集団からはアダム・イェーツ、キンタナが遅れる。ここで何とユンボ・ヴィズマがクスが遅れ、ヴィンゲゴーは頼みのアシストを全て失ってしまう。
ヴァル・ルーロン・アゼ峠まで3km地点で、メイン集団は単独で逃げていたレクネスンドを抜き去り、トップに立つ。山頂付近でポガチャルがアタックもヴィンゲゴーは逃さず、最後のペイラギュードではUAEのマクナルティ、ポガチャル、ヴィンゲゴーの3人で先頭集団を形成する。
最後にいつポガチャルがアタックするかと緊迫した空気が流れるが、結局ポガチャルはラスト300mの急勾配地点になるまで動かず、アタックにヴィンゲゴーが余裕でマーク、カウンターで差し切ったかに見えたがポガチャルが再び抜き去り3勝目。ボーナスタイムで4秒だけを詰める結果になった。
総合3位のゲラント・トーマスは彼らから2分7秒差でゴール、ポガチャルからは総合で2分36秒の差となり、逆転はかなり厳しくなったと言え、優勝争いはこれでヴィンゲゴーとポガチャルに絞られた。
第18ステージは、いよいよ今年のツール最後の山岳ステージ、超級山岳オービスク、1級山岳スパンデル、そしてラスト4kmが勾配10%超えの超級山岳オタカムの頂上ゴール。このステージではユンボ・ヴィズマチームが総崩れになったが、最大の決戦で体勢を立て直す事が出来るのか、注目したい。