休養日が明けて第2週に入ったツール・ド・フランス。アルプスに突入した第10ステージは、モルジンヌ・レ・ポルト・デュ・ソレイユ~ムジェーブの148.1km。最後は2級山岳の頂上ゴールが待ち受けているが、平均勾配が4.1%と比較的緩いのでパンチャータイプの選手でもこなせる中級山岳コース。
当然、逃げた選手が勝てる可能性が高いステージなので、序盤から激しいアタック合戦が展開されるが、決まったと思ったらまた追撃の連続で、なんとスタートから60kmもの間、延々と同じ光景が繰り広げられてしまう。ようやく逃げ集団が固まったのは、ゴールまで90kmを切ったぐらいの地点で、実に25人もの大所帯。
そこからは一気にメイン集団はペースダウン、あっという間に先頭集団とのタイム差が広がり、最大では9分半もの差がついてしまい、早くも逃げた選手の中でステージ勝利が決まる可能性が高くなる。
19.3kmの長いダラダラした上りが続く、最後の2級山岳ムジェーブで先頭集団からベッティオルが単独でアタックするが、それも長く続かず追走選手が追いついて再び集団を形成する。そして6km地点でルイスレオン・サンチェスがアタック、シュルツとヨルゲンセンが反応して付いて行く。
しかしゴールまで残り1kmを切ったところで、先頭の3人は牽制を始めてしまいペースダウン、その間に遅れた後続が追いついてしまい、9人による集団スプリント。最後はサンチェスに付いたシュルツが抜け出し勝利するかと思いきや、序盤に山岳賞ジャージを着ていたマグナス・コルトが残り100mからの急坂を利用して差し切り、まさかのステージ勝利。
メイン集団は結局9分遅れでゴール。ここでもポガチャルがラストスパートで先頭を切り、少しでも総合タイム差を稼ごうとするのだが、総合2位のヴィンゲゴーが何とかタイム差無しで食らいついてゴール、総合で39秒差は変わらず。
今日の第11ステージは、おなじみの1級山岳テレグラフ、そして今大会最高標高2642mのガリビエ峠、ラストはグラノン峠の頂上ゴールという、超級山岳2連発の最難関クイーンステージ。間違いなく総合争いに大きな変化が生まれるはずで、絶対に見逃せないところだ。