現在公式戦6試合勝ち無しの3連敗中で、とうとうプレーオフ圏の16位まで落ちてしまったシュツットガルトは、逆に6試合負け無しで8位と好調のマインツとホームで対戦。遠藤はこの試合も3-4-2-1のボランチ、伊藤洋輝は3バックの左で先発した。対するマインツは3-1-4-2のフォーメーション。
前半3分、伊藤のロングパスにマルムシュが抜け出し、切り返しからシュートもマインツGKツェントナーに弾かれる決定機を早速演出する。13分には逆にショートカウンターからシュートを浴びるなど、互いにハイラインを崩し合う激しい展開。
そして20分、また伊藤のロングパスからソサに通り、中で遠藤らが繋いでいる間にスルスルと伊藤がオーバーラップ、マンガラからのパスをダイレクトでシュート、これがツェントナーの手を弾いてブンデス初ゴールが決まる。
さらに24分、シュツットガルトのFKで前線に飛び出したマヴロパノスに対し、ツェントナーが飛び出して空中でタックルを浴びせるようなプレイになって一度はPKと判定されるが取り消される。そこからしばらくシュツットガルトペースが続くが、39分にマインツはCKからハックがヘディングで流したボールがゴールイン、同点で前半を折り返す。
後半7分、シュツットガルトはスローインから狭い中をスルッと抜けて左サイドへ一気に展開、マンガラのラストパスをソサが思い切って左足を振り抜くと、強烈な弾道でゴールに突き刺さりシュツットガルトが再びリードする。
その後はマインツがボールを支配、シュツットガルトは低い位置で5バックを敷いて防戦一方になるが、26分にはカウンターから伊藤が持ち上がってソサのクロスがわずかに中と合わないチャンスを作る。
最後はマインツがパワープレイを仕掛けるが、シュツットガルトは粘り強く守ってリードを守りきり、7試合ぶりの勝利。前線の弱さという課題はまだまだ解決していないが、残留争いという面では非常に大きな勝ち点3をゲットした。
伊藤については、ゴールだけでなく彼がボールを持つと必ず味方がスペースへと走り、そこに正確なフィードを何本も通して完全に攻撃の起点となっていた。守備でもアジリティはやや物足りないが、意外とスピードがあるところを見せ、すごい勢いで成長を果たしている。
現在は磐田からレンタル移籍中で、当然シュツットガルトは完全移籍のオプションを行使すると言われているが、完全移籍に必要な金額はたったの5000万円だそうで、まさにバーゲンの掘り出し物を当てたというところだろう。
遠藤はインサイドハーフ的に比較的自由なポジションで攻守に絡み、段々と昨シーズンのような好調時のリズムが戻って来た印象。ただ、本来はもっと得点に絡める選手なので、本調子まではあと一歩というところか。