2日後に全く同じカードでルヴァンカップの決勝を戦う両チームが、先に天皇杯で対戦。名古屋は前節から6人の選手を入れ替えたのに対し、セレッソは何と9人の選手を入れ替え、ACLのチケットがかかった天皇杯よりも、ルヴァンカップのタイトルを優先する方針が垣間見える。
しかし試合のペースを握ったのはセレッソ。4-4-2のゾーンディフェンスには慣れている若手を起用した事で、コンパクトな守備を保ちつつ攻守の切り替えが早く、名古屋相手に互角以上の内容を見せる。
逆に名古屋は、トップ下で先発起用された柿谷の存在感が薄く、ボールを持っても両サイドだけが基点の中心で、素早く戻って中央を固めるセレッソに対して攻撃で切り崩すビジョンが見えない。
すると前半32分、左コーナーから清武が蹴ったボールがDFを抜けてファーにストンと落ちると、フリーになっていた鳥海が合わせてセレッソが先制。その6分後には、今度は右コーナーから清武が蹴ったボールをチアゴがニアでドンピシャヘッドを決める。
名古屋は後半から相馬、7分後にはさらに3人を入れ替えて勝負に出るが、17分に豊川のラストパスを受けたタガートがシュートを決めて3点差。その後は名古屋がボールを支配するも、やはりボールは外側を回る事が多く、なかなかシュートまで持ち込めない。
そして5分の後半ロスタイムも、最後まで名古屋は決定機を作れず3-0のままで試合終了。ルヴァンカップ決勝の前哨戦は、若手サブメンバーが躍動したセレッソの完勝に終わった。
それにしても、名古屋は心配になるぐらいプレスがゆるゆる、果たしてこれがルヴァン決勝に備えた温存、死んだふりなのかどうか。その答えは土曜日で明らかになる。