第17ステージは、終盤の60kmの間に1級山岳が2つ、そして標高が実に2215mという超級山岳サン=ラリ=スラン コル・デュ・ポルテ頂上ゴールが待ち受ける、今大会で最も厳しいクイーンステージ。
この日はフランス革命記念日とあって、今大会はほとんど目立った活躍が出来ていないフランス勢が序盤からアタックを繰り広げ、最終的に6人の逃げが決まった中にはペレス、ゴドン、テュルジス、シュヴァリエと4人のフランス人選手を送り込んだ。
2度目の1級山岳であるヴァル・ルーロン・アゼ峠で、先頭集団はペレスとゴドンのフランス人選手2名に絞られたが、これまでほとんど仕事をしてなかったUAEチームエミレーツがメイン集団をハイペースで引っ張り、一時は8分あった差をあっという間に6分差まで詰めて来る。
先頭ではペースが上がらないゴドンを見限ったペレスがペースアップ、そこからは単独での逃げとなる。アゼ峠の頂上ではメイン集団が4分遅れて通過し、キンタナが集団のトップを取ったために山岳賞のポイントを2つゲットした。
そして最後のポルテ峠の麓では、再びペレスとゴドンが合流するが、登り始めてまもなくまたゴドンが遅れ始める。メイン集団は4分の差で登り始めたが、マイカを始めとするUAEチームエミレーツのペースアップで、みるみるうちに先頭との差が詰まって行く。総合8位のマス、9位のギヨーム・マルタンがここで遅れてしまう。
ペレスは残り8.5kmの地点で集団に吸収されると、マイヨ・ジョーヌのポガチャルが自らアタック、これについて行けたのはヴィンゲゴーとカラパス、オコナーとカストロビエホのみで、総合2位のウランが脱落。さらにポガチャルが再アタックを仕掛けると、先頭集団はヴィンゲゴーとカラパスの3人のみとなる。
この中でカラパスは苦しそうな顔を見せて終始後ろの位置取りをしていたが、実はそれは芝居だったようで、残り1.5km地点で突然アタック。しかしポガチャルはすかさず追撃、ヴィンゲゴーは一瞬離れてしまったがペースを再び上げて結局3人はまた合流する。そして後ろのグループではフランス人のゴデュが1人で抜け出して4位で追走。
勝負は最後の直線まで持ち込まれ、ポガチャルが一瞬のスパートでヴィンゲゴーを振り切りステージ優勝。3秒差でヴィンゲゴーとカラパスがゴール、1分19秒差でゴデュがフランス人再先着、ウランは結局1分49秒差でゴールした。
これで総合争いの2位にヴィンゲゴー。3位にカラパスが浮上、ウランは4位に後退。しかしヴィンゲゴーとトップのポガチャルとは5分39秒の差があり、次のステージでよほど体調不良を起こさない限りは逆転はノーチャンスだろう。
その第18ステージはツールマレー、ルズ・アルディダンと超級山岳が2つ並ぶ頂上ゴール、山岳ラストの勝負所。総合争いのトップは不動だろうが、表彰台争い、山岳賞争いが白熱するのは確実。まだまだツールは見逃せない。