厳しいモン・ヴァントゥステージをこなした後の第12ステージは、プロヴァンスの丘陵地帯を走るピレネーへの移動(リエゾン)ステージ。
スタート前に、ここまで精細を欠いているマイヨヴェールの獲得記録保持者であるペーター・サガンは、やはり第3ステージの落車で負った怪我の影響でリタイアを選択。またスター選手がツールを去ってしまった。
フランスの国立公園である風光明媚なアルデッシュ渓谷で、アラフィリップやグライペルを含む13人の逃げが成立、メイン集団では一応UAEチームエミレーツが集団を引くもペースは上がらず、モン・ヴァントゥでスプリンターも疲弊したのか他のチームが引く気配も無い。
残り50km地点で、逃げ集団とメイン集団の差は12分以上となり、ステージ優勝は13人の中から決まる事が確実となる。するとポリッツのアタックに追随したキュング、エルビティ、スウェニーが先頭集団を作り、アラフィリップとグライペルは後ろに取り残されてしまう。
そして残り12km地点でポリッツがまたアタック、今度は他の3人も反応できず、そのままゴールまで独走して勝利。エースのサガンを失ってアシストの仕事から自由になったおかげで、ボーラ・ハンスグローエチームに勝利をプレゼント出来たのだから棚からぼた餅である。
メイン集団は結局15分53秒差でゴール。集団の先頭はカヴェンディッシュで、3ポイントを地味に積み重ねた。逃げ集団で総合タイムが最も良い選手でも50分離れていたので、総合争いに変化は無し。
今日はニームからカルカソンヌ、まさにプロヴァンスからピレネーの麓までのリエゾンステージ。レースだけでなく、フランスきっての観光エリアを楽しみたい。