「モン・ヴァントゥのファンアールト独走勝利の裏で、ポガチャルは人類だった事を証明」ツール・ド・フランス2021 第10・11ステージ

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休養日明けの第10ステージは、いわゆる山岳と山岳の間をつなぐリエゾンステージ。アルプスからピレネーに行く前に、第11ステージに待ち受ける”死の山”モン・ヴァントゥに立ち寄る事になっている。

レースはスタートから飛び出した2人の逃げがすんなり決まり、メイン集団が余裕を持ってコントロール、逃げを吸収してからの終盤では横風区間でメイン集団が分裂するものの、大きな混乱はなくラストスプリントへ。

集団はマイヨヴェールのカヴェンディッシュを擁するクイックステップチームが完璧なトレインを作り、残り150mで満を持してスパート、ファンアールトやフィリップセンの追撃を振り切って今大会3勝目。逆にサガンやグライペルといったおなじみの面子は7位以下に沈むなど、ライバルの不調が目立つ今年のスプリンター争いである。

そして第11ステージは、1級山岳ラ・リギエール峠をこなしてすぐ、モン・ヴァントゥを東から登る比較的ゆるい傾斜の1回目、下ってから今度は西側から登るキツい傾斜の2回目を登り、また下り切ってのゴールというステージ。最近のツールは、ゴール後の下山大渋滞を避けるためか、頂上ゴールをあまりやらなくなったね。

ステージ序盤からアタックが繰り返され、最終的にアラフィリップを含む4人の集団と、13人の追撃集団、後ろのマイヨ・ジョーヌ含むメイン集団、そしてカヴェンディッシュらが入ったグルペットと分かれてレースが落ち着く。

そしてモン・ヴァントゥ1回目の登り口で先頭4人と13人が合流、そこからまたアタックが始まり、アラフィリップとファンアールトを含む7人が先頭集団から抜け出す。メイン集団は5分遅れで追走、1度目のモン・ヴァントゥはアラフィリップが先頭で通過する。

モン・ヴァントゥからの下りで先頭集団は分裂、トップではエリッソンドが単独でアタック開始、しかし追撃集団からファンアールトが単独でスパート、あっという間に先頭へ追いつくと、エリッソンドを振り切ってモン・ヴァントゥへの一人旅が始まる。

メイン集団ではチーム・イネオスがリッチー・ポートやゲラント・トーマスの引きでペースアップ、これで総合2位のオコーナーがたまらず遅れてしまう。そして頂上まで残り2kmの地点でアタックを仕掛けたのは総合4位のヴィンゲゴー。当然、ポガチャルが反応したのだが何と途中でヴィンゲゴーから遅れ始める。

結局ファンアールトはモン・ヴァントゥを1位で通過し、これでキンタナから6ポイント差で山岳賞の2位へと浮上。追走選手は1分遅れで通過、そして1分20秒遅れでヴィンゲゴー、2分遅れでポガチャルが通過して最後の下りへ突入する。

ファンアールトは下りでも追いつかれる事無く結局33kmを逃げ切ってステージ優勝。後方ではヴェンゲゴーにポガチャルとカラパス、ウランが結局追いつき1分38秒差でゴール。ポガチャルに結局タイムロスが生じる事は無かった。

いや、ファンアールトの勝利は見事だったんだけど、あの強すぎるポガチャルが初めて見せた弱みにちょっとビックリした。もしかするとサイボーグなのではと疑っていたが、一応ポガチャルは人類だったんだね(笑)。ツール前半にして既に白旗状態だったライバルたちも、これで少し元気が出てくるかもしれないステージだった。

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