どちらもグループ初戦は1点差ながらも勝利を手にして臨んだ、セルビア対ポルトガルの本命対決。ピクシーが監督に就任したセルビアは、3-4-1-2のフォーメーションで、ポルトガルはクリスティアーノ・ロナウドが1トップ、ジョタとベルナルド・シウバがシャドーに並んだ4-3-3。
試合はどちらも慎重な立ち上がりで、アウェイのポルトガルがややボールを支配する流れが続いた前半11分、右サイドでクリロナがボールをキープ、バックパスをベルナルド・シウバがクロス、これをジョタがファーで合わせてポルトガルがあっさりと先制点を決める。
セルビアは反撃と行きたいところだが、どうにもビルドアップが機能せず、ポルトガルのプレスを受けてロングボールを蹴るパターンばかりで、フランクフルトで無双しているコスティッチがほとんど良い形でボールを持つ事が出来ない。
すると前半36分、右サイドで上がったソアレスにボールが渡り、フリーな状態からのクロスを中で飛び込んだジョタがまたヘディングで合わせ、ゴールポストの内側をかすめるゴールを決めてポルトガルが簡単に2点目をゲットする。
前半44分、ポルトガルはゴール前20m、やや左の地点でFKを得ると、クリロナにとっては絶好のポジションだったが、キックは大きく左へ外れて追加点ならず。そのまま0-2で前半を終了する。
後半からセルビアはラドニッチ、マクシモヴィッチを投入、早速2分にポルトガルのクリアミスを拾って右に展開、WBに入ったラドニッチのクロスをミトロビッチが頭で押し込み、ポルトガルの2点目をコピペしたようなゴールが決まり1点差。さらに直後のCKでミリンコビッチが頭で流すもわずかに枠外。
さらにセルビアは、後半15分にカウンターからロングパスがラドニッチに通り、スルーパスに抜け出したコスティッチが冷静にGKとの1対1を制してゴール、前半は良いところが無かったセルビアがとうとう後半に追いつく。
ところが後半ロスタイムが終了しようという3分、スローインからの流れでメンデスのサイドチェンジに反応したクリロナが、飛び出したGKを抜いて角度のないところからシュート、ミトロビッチがスライディングでクリアするもラインを割ったように見えたが、結果的にノーゴールの判定。そしてそのまま2-2のドローで終了。
この試合にVARは無く、クリロナは試合終了直後にキャプテンマークを叩きつけてピッチを後にし、後に主審も誤審を認めてポルトガル代表に謝罪と、何とも後味の悪い結末になってしまった。
それと少し気になったのがクリロナのプレイ。キープ力はさすがだが以前に比べるとスピードとキックの精度が若干落ちているように見える。これが本格的な衰えでなければいいのだが。