シーズン前は降格候補に挙げられていたが、蓋を開けてみればここまでリーグ3位と絶好調のサガン鳥栖。今節はアウェイで4位のライバルであるセレッソとの上位対決。
セレッソも鳥栖もフォーメーションは4-4-2で、アルゼンチン戦でU-24代表に選ばれた瀬古、林、中野伸哉が先発、セレッソは西川潤もスタメンに復帰とフレッシュなメンバーが揃う。
試合はいきなりセレッソが、西川潤のFKから豊川が頭で流したボールに飛び込んだ大久保が頭で押し込みゴールを揺らすが、オフサイドでノーゴールの判定。
鳥栖はここまで6試合無失点と守備力に注目が集まっているが、マイボール時には松岡がCBの間に入ってSBが高く上がるビルドアップが正確で、サイドを警戒するとエドゥアルドの縦パスがビシッと通るといったように、自陣でつまらないミスをする回数が極めて少ないのが秘訣のように見える。
対するセレッソはあまり高い位置からプレスには行かず、自陣でブロックを作ってカウンターを狙うのだが、鳥栖の布陣はコンパクトで守備の戻りも早いために基点がなかなか作れず、試合は膠着状態が続く。
しかし後半直後に試合は動く。瀬古のロングフィードを鳥栖がクリアしたボールを奥埜が拾い、そのまま持ち込んでミドルを突き刺し、開幕から無失点試合のJリーグ新記録がかかっていた鳥栖の希望を打ち砕くゴラッソを決める。
その後は鳥栖がセレッソを押し込む流れになり、中央を固めるセレッソに対してサイドチェンジを多用してサイドからクロスを浴びせかけ、後半19分にはエドゥアルドのヘディングがクロスバーに当たる惜しいチャンス。
ずっと前半から大久保とやり合っていたファン・ソッコが11分にイエローをもらうと、後半28分にもファン・ソッコが豊川の顔を肘打ち。さらに32分に清武の足にタックルすると、おそらく合わせ技と判定して主審が間髪入れずイエローカード、これが2枚目となって退場してしまう。
それでも鳥栖のサッカーは変わらず、徹底的にサイドを使った攻めを見せ、後半39分には仙頭がPA内でボレーもGK正面と決定機を決めきれない。最後はセレッソが自陣でベタ引きになりながらも何とか守りきって試合終了。これでセレッソは鳥栖に代わって3位に浮上した。
ただセレッソは勝ったとは言え、攻守において戦術的な狙いが非常に曖昧で、攻撃は中央に偏っていて個人能力頼みと、良くも悪くもクルピのカラーが出たチームになってしまっている。首位の川崎とは暫定で勝ち点3差だが、優勝を狙うにはまだまだ超えなければならないハードルは多い。