「酷評されていた守備で勝利に貢献、スピードを失った長友はどう進む?」フランス・リーグアン第29節 オリンピック・マルセイユ-ブレスト

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2月初旬にビラス・ボアス監督が辞任、下旬になってアルゼンチン人の新監督ホルヘ・サンパオリが就任し、ようやく前節のレンヌ戦で初勝利を挙げたマルセイユは、今節はホームで13位のブレストと対戦。

マルセイユのフォーメーションは3-1-4-2で長友が左WBで先発、2トップはミリクとパイェ、トヴァンがインサイドハーフに入った並び。酒井はベンチスタート。

試合開始から長友はいきなりウイングの位置まで高く上がり、3バック+1ボランチと攻撃陣の6人が分かれる非常に攻撃的なスタイルで驚かされる。前半5分には早速長友がカットインからミドルを放つ。

ただ、やはりGKと4人だけで行うビルドアップはいかにも不安定で、DFがプレスを受けたらバタバタしてミス、16分にはGKマンダンダのキックが相手へのプレゼントになってミドルを打たれてしまう。長友も相手のSHドゥアロンが下がってマークされて攻撃は膠着状態、25分を過ぎるとむしろブレストのほうが押し込む流れに。

前半40分過ぎになって久々にマルセイユが盛り返し、セットプレイの連続では得点を決められなかったが、ロスタイムにミリクが胸トラップからパイェとワンツーで抜け出し、ファーにコントロールショットを決めてマルセイユが先制する。

後半になると、ドゥアロンやシャルボニエが長友の裏を取るような高いポジションを取るようになり、長友はなかなか攻撃に上がれないが、デュエルで粘りを見せてきっちり仕事を果たす。すると7分にミリクのシュート、トヴァンからリロラのクロス、そしてリロラがGKと1対1と立て続けに決定機。

追加点を決められないマルセイユは、後半20分にほぼSBのようになっていた長友から酒井に交代。すると後半26分、FKからファーサイドに飛び込まれリロラのマークが遅れてヘディングゴールを許してしまう。

これで図らずも酒井がオーバーラップを仕掛ける場面が増えるが、マルセイユは右サイドに流れるトヴァンにボールを集める強引な攻めに終始、再びブレストに主導権を握られてしまう。

そしてこのまま試合終了かと思われた後半43分、マルセイユはコーナー付近での競り合いでボールを奪い返すと、相手の上がりが遅いスキを突いてルイス・エンリケがニアゾーンで折り返し、トヴァンがダイレクトで決めて勝ち越し。さらにロスタイムにはカウンターからのクロスに、途中出場のキュイザンヌがボレーでダメ押しの3点目、そしてそのまま試合終了。

マルセイユはこれで連勝したとは言え、試合運びはお世辞にも安定しておらず、相手が研究し始めたらかなり苦しむ事になりそうな気がする。パイェやトヴァンがやる気を出しているうちに、戦術の練度を上げておきたいところだろう。

長友については、移籍以来守備に戸惑う事が多くてサポーターのバッシングを受けていたようだが、この試合は落ち着いた対応で安心感があった。とは言え、やはり往年のスピードは失われているようで、今後は攻撃でどれだけクォリティを出せるかが問われるところになりそうだ。

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