「3年間でわずか6ゴールの大久保が、王者川崎相手にまさかのドッピエッタ」J1第11節 川崎フロンターレ-セレッソ大阪

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開幕戦の横浜Fマリノス戦を点差以上の内容で完勝、今期も優勝候補筆頭であることを見せつけた川崎フロンターレは、ACLとの兼ね合いで11節の試合が前倒しとなり、ミッドウィークにクルピ監督と大久保が帰って来たセレッソ大阪と対戦。

川崎はいつもの4-3-3で、前線はレアンドロ・ダミアン、三笘、家長という今期のベスメン。対するセレッソは4-2-3-1のフォーメーションで、1トップが大久保で清武がトップ下という形。

まず先制パンチを見舞ったのはセレッソ。前半4分に右サイドの中盤でボールを奪うと、坂本のドリブルからパスを受けた大久保が右足を一閃、これがゴール右ギリギリに決まるスーペルゴラッソな先制点。しかし川崎もその直後に山根のクロスをレアンドロ・ダミアンがボレーで叩き込み同点。

セレッソの戦術的な狙いは、4-4でコンパクトなゾーンを上げ下げしつつ、ボールを奪うと前線や逆サイドに長いボールを入れて、徹底的に中盤勝負のリスクを避ける狙い。それは開幕戦後半の横浜Fマリノスも同じだったので、それだけでは川崎に勝つのは厳しいように思われた。

実際、川崎も手慣れたものでセレッソゾーンの外側へサイドチェンジで基点を作り、ゾーンの間に選手が入ってパスを受けては出すエントレリネアスの動きでボールをガッチリキープ、セレッソにカウンターを許さない。

すると前半21分、セレッソのFKからのこぼれ球を松田が拾ってクロス、チョン・ソンリョンがジャンプしたがボールに触れず、裏に飛び込んだ大久保が押し込んで何と川崎相手に前半だけでドッピエッタ。

ここからセレッソは前からのプレスをやめて自陣に引いて守り、川崎は強引にゾーンへゴリゴリと割って入る展開。38分にはゾーンを併用するセレッソのCK守備の間を突いてジェジウがヘッドもセレッソGKキム・ジンヒョンがキャッチ。

前半はそのままセレッソがリードして折り返したが、後半早々に川崎が追いつく。谷口のサイドチェンジからニアゾーンで山根が受けてクロス、レアンドロ・ダミアンのヘッドという、4-4-2攻略のお手本のようなゴールが決まる。

その後もセレッソは押されまくりながらも、時々カウンターを繰り出す抵抗を見せたが、後半17分に三笘が左サイドからダブルタッチで侵入、レアンドロ・ダミアンとのワンツーからシュートを流し込んで川崎がとうとう逆転。

セレッソは後半26分、途中出場でトップに入った加藤の落としを大久保がシュート、これはチョン・ソンリョンがかろうじて手に当ててコースを変えたが、あわやハットトリックという場面を作る。しかし左サイドに投入した西川潤の存在感が無く、右サイドからしか攻撃が作れない。

最後は後半45分に投入された川崎の小林悠が2度ほど惜しいシーンを作ったが、スコアはそのまま動かず3-2で試合終了。川崎が順当にリーグ戦の連勝を決めた。

クルピ監督が復帰してからセレッソの試合を初めて見たが、やはり戦術を細かく指導するのではなく、選手を適材適所に配置して若手を上手く伸ばして行く監督だなと再認識。成績はともかく、若手の台頭は確実に期待できる1年になりそうだ。

そして何と言っても大久保。ここ3年間は鳴かず飛ばずで既に終わった選手扱いになり、セレッソに移籍した時も引退場所探しと揶揄されたぐらいだったが、まさかの2試合で3ゴールの荒稼ぎ。クルピのもとで点を取る仕事に専念できればまだまだ得点感覚を発揮してくれそうだ。

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