長谷部が先発に復帰してからというもの、8勝2分と負け無しの快進撃を続け、チャンピオンズリーグの出場権が視野に入って来たフランクフルトは、ホームで14位ながらボルシアMGとのラインダービーを制して勢いに乗っているケルンと対戦。
フランクフルトはいつものメンバーによる3-4-2-1で、鎌田は2シャドー、長谷部はボランチで先発。対するケルンは3-1-4-2のフォーメーション。
試合はアウェイながらケルンが積極的な立ち上がり。フランクフルト対策として、DFから長谷部へのパスコースを2トップが切りつつボランチがマーク、中盤に下がってボールを受けるシャドーのユネスと鎌田の動きには素早いチェックが入り、フランクフルトのゲームメイクを封じにかかる。
しかしフランクフルトも徐々に試合のペースを取り戻すと、前半22分には相手の縦パスをカットして右へ素早く展開、サイドに流れたアンドレ・シウバがクロスを上げると、相手の足に当たったボールが長谷部の目の前に飛び、ヘディングで合わせたがコースが甘く、ケルンのGKホルンにセーブされてしまう。
前半30分にはゴール前でこぼれ球を拾ってミドルも、ホルンの腕一本で防ぐファインセーブに阻まれる。さらに39分には左サイドで鎌田が深い切り返しで相手を置き去り、フリーでクロスも中にいたコスティッチに合わず。その後もコスティッチのクロスからアンドレ・シウバのヘッドなど、フランクフルトに数多くの決定機はあったが決められず前半を終了。
後半はケルンがロングボールを送ってセカンドボールを拾い、サイドで数的優位を作る狙いに切り替えるが、フランクフルトはそれもやすやすと押し返し、6分にはコスティッチのクロスをアンドレ・シウバがまたヘッドもGK正面、8分にはコスティッチがえぐってのクロスをアンドレ・シウバが決めたと思ったらボールがラインを割ってノーゴール。
しかし後半12分、ドゥルムのカットインからのミドルを鎌田が足に当ててボールの勢いを落とし、アンドレ・シウバが今度は足できっちり決める。鎌田のプレイが意図したものかは不明だが、かつて香川がやっていたようなおしゃれなアシストだった。
後半19分には長谷部のピンポイントクロスからアンドレ・シウバがヘッドもやや勢いが無くこれもセーブされる。25分にはユネスがヨビッチと交代シャドーの位置に下がる。が、そのせいなのかフランクフルトの攻撃がギクシャクし始め、28分にPA左を完全に破られるが、長谷部が必死で戻ってカバーリング、大ピンチを防ぐ。
すると後半34分、コスティッチのCKからエンディッカがニアでヘッド、ゴール左に流し込んでフランクフルトがようやく追加点。ここで鎌田がお役御免、ロスタイムには長谷部がピッチ中央をドリブル、相手のイエローカードを誘う余裕ぶり。そしてそのまま2-0で試合終了。
鎌田は結果こそ偶然っぽい1アシストだけだが、柔らかいタッチで攻撃の中継点として多くのチャンスに絡み、出来としては悪くなかった。長谷部はスペースを感知してピッチのあらゆる場所に顔を出し、多彩なゲームメイクでいつも以上に攻守でチームを牽引する働きで好調ぶりを見せつけた。次の相手はシーズン前半に0-5で大敗したバイエルン。是非とも”カイザー”の働きでリベンジを果たしてもらいたい。