ここまでリーグ戦9位と順調に勝点を積み上げているフランクフルトは、17位と降格圏に沈んでいながらも、前節のホッフェンハイム戦で4-0と快勝して上り調子のシャルケとホームで対戦。
フランクフルトのフォーメーションは3-4-2-1で、この試合で引退してアルゼンチンへの帰国が決まっているアブラアムが先発、長谷部はソウと組んでダブルボランチ、前線はアンドレ・シウバとユネス、バルコクの3人で、レアル・マドリーからレンタルで戻った注目のヨビッチ、そして鎌田はベンチスタート。対するシャルケは4-4-2の形。
試合は、フランクフルトがボールを支配する流れが続くが、チャンスの形は作るが得点を決めきるには至らず。ようやく前半28分に、シャルケが自陣でミスをしたボールを拾い、最後はアンドレ・シウバが振り向きざまのシュートを決めて先制。
しかしシャルケはその直後に、スローインからの流れで右サイドを抜け出した、前節のホッフェンハイム戦でハットトリックを決めた19歳のホッペが、そのままゴールのニアを抜くシュートを決め、あっという間に同点へと追いつく。
その後は、どちらも長谷部の縦パスを起点にアンドレ・シウバ、43分にはコラシナツのクリアミスからドゥルムと立て続けに決定的なシュートを放つが、どちらもシャルケGKフェールマンに防がれ前半を終了する。
後半に入って7分に、フランクフルトはヒンテレッガーに代えてフルスティッチが入り、長谷部がリベロのポジションに下がる。そこからしばらく膠着状態が続くと、フランクフルトは後半17分にドゥルムに代えて注目のヨビッチを投入、バルコクが右WBに移って2トップのような形になる。
これで一気にフランクフルトへ流れが傾き、シャルケも粘って耐えてはいたのだが、後半27分にエンディカのドリブルからコスティッチがクロス、中に飛び込んだヨビッチが上手くハーフボレーを叩き込んでフランクフルトが勝ち越し。
フランクフルトは後半34分にトゥレと鎌田を投入、前からのプレスを維持してシャルケの反撃を許さない。シャルケは後半40分ごろにようやくフランクフルト陣内に攻め入るが、長谷部を中心としたカバーリングできっちり防ぐ。
後半終了間際にはカウンターから鎌田がスルーパスを受けるもコントロールが長くなってシュートまで行けず。しかし後半ロスタイム、コスティッチがパスカットから持ち上がり、裏でパスを受けたヨビッチが切り返しから冷静にニアを抜くシュートを決めてドッピエッタ、そして3-1で試合終了。
長谷部は相変わらず早いタイミングでの縦パスをビシビシ通し、攻撃がペースダウンしないようムチを打つ役割で奮闘していた。が、やっぱりこの試合はヨビッチに尽きる。
生来のフィニッシャーであるヨビッチが、レアルでベンゼマがやってる仕事の代わりが務まるとは思えず、案の定レアルでは干されてしまったものの、やはりブンデスでは決定力が別格。アンドレ・シウバが化けつつあるし、これで得点力が向上すれば十分ヨーロッパリーグを狙って行けそうだ。