「まさに日本のバイエルン、あまりに残酷な戦力差を見せつけられた首位直接対決」J1第29節 川崎フロンターレ-ガンバ大阪

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一応は、日本サッカーの頂点であるJ1リーグにおける、首位と2位の直接対決ではあったのだが、その勝ち点14という数字が示す以上に内容的なレベル差があった試合になってしまった。

前半15分まではそれなりに拮抗した流れになっていたのだが、それは川崎にとってガンバの研究をする慣らし運転のようなものであり、前半20分からは完全に川崎がガンバを容赦なく蹂躙する展開になってしまった。

ガンバは、守備時には一応4-4-2の形で3ラインのゾーンを作るのだが、川崎がゾーンの間に選手が入ってボールの出し入れを始めると、誰がいつ誰にマークをして、そこからいつゾーンのポジションに戻るかの戦術的な統一がまるで無く、ウロウロと形だけのカバーをするのみで、ボールを奪い切る守備になっていない。

川崎の先制点の場面でも、直接的にはレアンドロ・ダミアンの飛び出しに昌子が振り切られたせいではあるのだが、福田がボールに釣られて中に寄ってしまい、ポジションに戻る事をサボって登里をフリーにしてしまった事も大きい。

前節に川崎を破った大分は、それまでに2週間以上の試合間隔があったのに比べると、ガンバは中2日で川崎対策を徹底させる時間が無かったのは確かだろうが、単に人を並べただけの「なんちゃってゾーンディフェンス」からの、選手の思いつきに任せた「自分たちのサッカー」だったように思う。

ガンバの選手がレアル・マドリー並であればそれでもOKなのだが、ただでさえ力の差がある川崎に対し、けが人で主力が抜けて実際はマジョルカレベル、しかも中2日のコンディションで挑むにはあまりに無謀かつ無策だったと言える。

このまま宮本監督のスタイルで行くなら、川崎を上回る選手層を築く必要があるのだが、果たしてガンバフロントにそれだけの甲斐性があるのかどうか。川崎は三苫らが海外移籍しそうだが、それでもブンデスリーガのバイエルン並に戦力的には図抜けている。来期は彼らのしっぽを踏めるチームは登場するのだろうか。

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