今年は新型コロナウイルスの影響で、通常の7月から2ヶ月遅れで開催にこぎつけたツール・ド・フランス。チームの全員にPCR検査が求められ、レースの前後にはマスクの装着が義務付けられるという堅苦しい規定のもとで行われる。
第1・2ステージは南仏のニースがスタートとゴールなのだが、全フランスで7000人を超える新型コロナウイルスの新規感染者が出ている状況で、ニースを含む地域がレッドゾーンに指定された事により、山岳地域は車での観戦が禁止された状態での開催になった。
第1ステージ
今年は個人タイムトライアルのプロローグは無く、最初からステージレースがスタート。グランデパールは南仏のリゾート地、ニースの海岸遊歩道「プロムナード・デ・ザングレ」。
山岳が多い今大会で数少ないスプリンター向けのステージで、早々に3人の逃げが決まるいつもの展開になるのだが、数カ月ぶりに降った雨でスケートリンク状態になった道のおかげで、落車が頻発して逃げが吸収されてからは集団は協調してペースを下げる動きに出る。
残り25kmあたりから再びアタックが繰り広げられ、再びニースに戻った3km地点で大落車。フランス期待の優勝候補ティポー・ピノが巻き込まれてしまうが、救済措置によって同タイム扱いとなった。ゴールスプリントは、ベテランスプリンターのクリストフがゴール前でしっかり伸びて33歳での勝利。もちろんマイヨジョーヌもゲット。
第2ステージ
このステージもニースをスタートしてニースにゴールするコースだが、何と1級山岳が2つ、2級山岳が1つという2日目にして本格的な山岳ステージ。バルス、ジルベール、デゲンコルプの3人が落車の影響で出走せず。
レースはスプリントポイントでのアタックから7人の逃げが決まり、1級山岳をそのままクリア。集団ではマイヨジョーヌのクリストフが遅れ、UAEチームエミレーツの代わりにユンボ・ヴィスマチームが集団を引っ張り、2級山岳エズ峠の序盤で逃げを吸収。
そして13.3kmにある最後の登りでアラ・フィリップがスパート、アダム・イエーツ、ヒルシキの3人が抜け出す。ラストのプロムナード・デ・ザングレに入っても集団との差をキープ、結局3人でのゴールスプリントをアラフィリップが制し、途中のボーナスタイムを加算してマイヨジョーヌもゲットした。
今日の第3ステージは、ニースを離れてプロヴァンスのシストロンへのコース。南仏特有の細かいアップダウンがあるテクニカルなコースだけに、「逃げ屋」パンチャーが勝利を目指して激しく争うステージになりそうだ。