「個人と戦術が一体化、”自分たちのサッカー”を陳腐化する最高峰」UEFAチャンピオンズリーグ 決勝 パリ・サンジェルマン-バイエルン・ミュンヘン

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ともに準決勝を3-0と相手を一蹴して勝ち上がった、現在世界最強と目されるチーム同士の横綱対決となった今年のチャンピオンズリーグ決勝。

PSGは準決勝と全く同じスタメンで、ネイマール、ムバッペ、ディ・マリアの3トップを並べた4-3-3、バイエルンはレヴァンドフスキの1トップに、2列目にコマンが左SHで先発復帰、ミュラー、ニャブリを配した4-2-3-1。

試合は序盤からバイエルンの強烈なプレッシングが炸裂、PSGは全くビルドアップをさせてもらえず自陣でボールを奪われる展開、しかしミドルやクロスの雨を何とか凌いで10分過ぎに少し試合が落ち着き、PSGもムバッペがボールを持てばバイエルン陣内でプレイが出来るようになる。

最初の決定機はPSG、前半18分に中盤でキンペンベがボールをカット、カウンターとなってムバッペからのラストパスを受けたネイマールがシュートも、バイエルンGKノイアーが左足と手でかろうじて防ぐ。その直後には、レヴァンドフスキがデイビスからのクロスを受けて反転シュートもゴールポストでバイエルンが決定機のお返し。

さらにPSGは23分に上手くバイエルンのプレスを交わしてパスを繋ぎ、ネイマールのドリブルでゴール前に攻め込み、サイドはエレーラのラストパスを受けたディ・マリアがシュートも枠の上。さらにPSGは前半終了間際にアラバのミスからムバッペが正面でシュートもコースが甘くてキャッチされる。直後にはデイビスのPA内突破をケーラーが後ろから倒したように見えたがノーファール。

後半、PSGはディ・マリアとムバッペの位置を反転させ、おそらくムバッペでデイビスの上がりを牽制する狙いを見せる。が、先制したのはバイエルン、後半14分にキミッヒのクロスにファーでフリーになっていたコマンがヘディングゴールを決める。しかしその直後に連続した決定機はPSGがゴール前でクリアする。

PSGも後半25分に攻撃参加したマルキーニョスがシュートもまたノイアーがストップ。PSGは中盤にヴェッラッティとドラクスラーを投入、攻撃的な布陣にシフトする。バイエルンもペリシッチ、コウチーニョと攻撃陣が交代で入り、ミュラーを中心としたハイプレスでボールの出しどころを抑えにかかる。頼みのムバッペは疲れが見えて裏抜けしか狙えなくなってPSGは攻撃が単調に。

後半ロスタイム、ムバッペのスルーパスにネイマールが反応、反転クロスにチュポ・モティングが足を出したが当てられず。そして試合はそのまま1-0でバイエルンが逃げ切り、見事チャンピオンズリーグ優勝を飾った。

もっとバイエルンが試合を優勢に進めていたと想像していたが、思ったよりもPSGはムバッペとネイマールのタレント2人でチャンスを作っていて、前半にあった3つの決定機でどちらかを決めていれば、試合の展開は大きく変わっていたかもしれない。準決勝のヒーローだったディ・マリアが当たってなかったのも誤算だった。

あえてポイントを挙げるとすればSBのクォリティ差だろうか。キミッヒとデイビスが高い攻撃力を発揮していたのに対し、ベルナトとケーラーは存在感が薄かった。特にケーラーはデイビス、コマンにやられる事が多く、戦力的に穴となっていた。前線の能力ではPSGが上回っていただけに、十分勝てるチャンスはあったように思う。

ともかく近年のCLでは傑出した好ゲームで、創造性とか自分たちのサッカーとかのお題目を陳腐化する、戦術と個人が一体となった最高峰の試合内容だった。そりゃ内田も「違う競技だなというぐらい、僕の中で違いがある」って言うよね。バイエルンの選手、監督、関係者、サポーターの皆さん、本当におめでとう!

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