「元日の天皇杯優勝でクラブ消滅を飾ったフリューゲルス」1999年天皇杯決勝 横浜フリューゲルス-清水エスパルス

スポンサーリンク

昨日はNHK-BSで、既にクラブの解散が決まっていた横浜フリューゲルスが天皇杯を勝ち上がり、清水エスパルスと対戦した決勝戦の再放送をやっていた。

フリューゲルスのフォーメーションは3-5-2で、GKが楢崎、中盤の5人は三浦淳宏、サンパイオ、山口素弘、波戸という代表クラスの豪華なメンバー。対するエスパルスは3-4-1-2で、CBが戸田、森岡、斎藤、中盤が市川、沢登、伊東輝悦、FWに長谷川健太とこれまた豪華なメンバー。

試合は清水が優勢の流れで始まり、いきなり前半3分に沢登のFKから長谷川がフリーでヘッドも枠外という決定機を作る。さらに勢いに乗る清水は、14分に右サイドに流れた伊東のクロスを中に飛び込んだ沢登が頭でコースに流し込み先制点をゲットする。さらにファビーニョのクロスを沢登がボレーで合わせる決定機。

清水はWBがDFラインに吸収された5バックで守備をセット、フリューゲルスのWBである三浦と波戸のサイドを抑えつつ、攻撃に転じるとその裏のスペースに選手が走り込んで素早く基点を作るなど、戦術の狙いがはっきりしていたのに対し、フリューゲルスはやたらと中央突破にこだわりミスが多い。

しかしフリューゲルスは、伊東のシュートなど数々のピンチを楢崎のファインセーブで凌ぐと、前半ロスタイムに山口の浮き球スルーパスを、久保山がうまくヒールで反転して抜け出し、同点ゴールを決めて前半を折り返す。

後半になるとフリューゲルスはボランチの山口が積極的に攻撃参加、タイミング良くボールに絡んでリズムを作り出す。清水はアレックス、後の三都主アレサンドロを投入するも、やたらとドリブルで仕掛けてはボールを取られて逆効果。

そして後半29分、サンパイオのフィードを受けた永井が上手くボールをキープ、その折返しを吉田が絶妙なトラップからのシュートを決めてフリューゲルスがとうとう逆転する。

その後の清水は前半とは逆にサイドを抑えられ、パスの出しどころが無くて攻撃が停滞、ロスタイムにパワープレイを仕掛けるが決定機は作れず試合終了。横浜フリューゲルスが天皇杯決勝で有終の美を飾った。

試合全体の流れとしては、清水が戦術プランでフリューゲルスを上回ったが、決めるべき時に得点を決められず、フリューゲルスにワンチャンスで同点にされて勢いを付けられた状態でハーフタイム、後半は守備の対応が甘くなってアレックス投入が裏目に出てしまった格好だった。

この年、12月2日に横浜フリューゲルスと横浜マリノスの両クラブ間で調印式が行われ、合併が正式に決まった。とは言え、親会社の経営問題による実質的なフリューゲルスの消滅であり、最後の意地で咲かせた大輪であった。

タイトルとURLをコピーしました