オランダ・エールディビジの試合をCSフジテレビが独占してしまったために、PSVでの堂安の試合を見るのが初めてとなったヨーロッパリーグのローゼンボリ戦。どちらもフォーメーションは4-3-3で、堂安は右のウイングとして先発。
しかしPSVの監督って、あのファンボメルなんだね。髭をはやしたのもあるし、珍しく現役時代よりも痩せたので人相が変わって全然気づかなかったよ。
試合の結果としては、4-1でPSVがアウェイながら圧勝したわけだが、その中で堂安はチームの3点目と4点目のアシストを記録。特に4点目は、後半にずっとローゼンボリに押され、1点を返された後に単独でプレスを仕掛けてボールを奪い、ダブルタッチで相手を抜いてマレンにプレゼントパスをしたという点で、非常に貢献度の大きいアシストだった。
そしてどちらも、今までの日本代表で見た堂安だったら、間違いなくそのままドリブルを仕掛けてシュートをしたであろうシーンで、PSVではエゴを封じてチームプレイに徹しているのが興味深い。まあ、堂安が代表では自己アピールに徹したプレイをしていただけで、もとから視野が広くて戦術眼の高い選手だとは思っていたけど、ここまで180度違うとちょっとあからさま過ぎるよなと(笑)。
それよりも驚いたのが、ウイングとしては異例なほどに守備で頑張っていた事。ローゼンボリは左ウイングのサミュエルが攻撃での驚異になっていたのだが、堂安は精力的に自陣まで守備に戻ってセットプレイから1点は決められたものの、流れの中でサミュエルに仕事をさせず、ボールを奪っては前線へと長い距離を走って顔を出し、ボールの無いところでも存在感が際立っていた。
これからビッグクラブへのし上がろうという野心を抱いた選手が多いPSVの中で、利他的なプレイが出来る選手は貴重であり、ファンボメル監督がその点で高く評価する通り、堂安は上手く居所を見つけ出したなという気がする。その確信犯的な切り替えに対しては賛否両論はありそうだが、個人的には嫌いじゃないね。
アヤックス戦やヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグのスタメンに常時出るようになって、相手から研究されてそこから何が出来るか。次はその段階での勝負が問われる時期になる。