さて長かったアジアカップも、いよいよ今晩が決勝のカタール戦です。と言うわけで恒例の展望を。
ここで散々書いているように、バルサ流の5レーン戦術をアカデミーから仕込まれているカタールは、今大会の出場国の中で最も戦術的にモダンで洗練されており、前線のスピード、特に1トップのアルモエズ・アリはシュートの技術に優れ、非常に強いチームである事は間違いありません。
日本は決勝トーナメント1回戦でサウジと対戦し、その時は大迫が怪我で出られなかったのもあって非常に苦戦しましたが、この時にもしカタールと当たっていたら負けていた可能性は高く、森保監督の進退問題が沸き起こっていた事でしょう。そういう意味では、勝運を持っている監督だと思います(笑)。
カタールのサンチェス監督が「日本と韓国は似ている」と語っているのを見ても、おそらくカタールのゲームプランは韓国を1-0で破ったのと同じ形で来ると思います。つまり、フォーメーションは5-3-2にして、日本にボールを持たせてアリとアフィフのスピードでカウンターを狙うサッカーです。
大きな特徴としては、2トップがサイドに開いてカウンターの基点になる事。センターで受けるとマークがキツく、中盤の上がりを待てないので、そのまま行けるならドリブルでシュート、それが無理ならサイドでいったんボールをキープし、WBのインナーラップなどでパスコースを作ってからまたニアゾーンに入る組織的な崩しを見せて来ます。この2トップのケアをどうするかが守備のポイントになるでしょう。
攻撃ではやはり5バックをどう崩すか。アフリカからの帰化選手が多いのもあって、俊敏でコンパクトに守るというよりはリーチの長さを活かして絡め取る守備をして来るので、単独ドリブルよりはワンツーやダイレクトのスルーパスなどで相手を置き去りにするラストプレイが効果的です。堂安が強引なドリブルを止められてあっさりカウンター、ってのは勘弁して欲しいですな。
日本のキーマンとしてはまず大迫と南野。大迫はアジアレベルでは1人でポストプレイを止められないので、CB2人でかかるかアンカーとサンドイッチするか。どちらにしても南野が比較的フリーになるので、それを上手く活かしたいところです。そして守備では酒井宏樹。アリは左から攻めるのが得意で、WBもタイミングを見て出て来るので、しっかりと攻撃を遅らせる事。細かいテクニックは無いので、守備の形が揃っていればアリは怖くありません。
とにかく日程的にはこちらが有利なので、前半はあまりむやみに前がかりにはならず、じっくりとミス無くボールを動かして相手を走らせ、後半から一気に畳み掛けていきたいところですな。