「ベン・ヒーリーがまさかのマイヨ・ジョーヌ獲得、ポガチャルはアシストを休ませ一歩後退」ツール・ド・フランス2025 第10ステージ

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フランス革命記念日という事で、通常は休息日の月曜日に継続して行われた第10ステージ。中央山塊の厳しいアップダウンを走り抜けるコースで、何と2級山岳の数としては新記録となる7つの峠、3級や山岳に入らない上りもあって極めて厳しいレイアウト。

レースはスタートからアタックが繰り広げられるもなかなか決まらず、最初の2級山岳で28人の大集団が形成され、メイン集団はペースを落として逃げを容認。逃げにはサイモン・イェーツらヴィズマ・リースアバイクの選手は入っているが、ポガチャルのUAEからは人を送り込めていない。

UAEはアシストのアルメイダがリタイア、シヴァコフも不調で集団から遅れるなど余裕が無く、逃げ集団は順調にタイム差を伸ばしながら山岳の頂上ではマルティネスがトップで通過して山岳ポイントを荒稼ぎ、バーチャルで現在山岳賞のポガチャルを追い抜いてしまう。

3つ目の2級山岳コート・ド・シャラードの上りでベン・オコナーがペースアップすると集団はバラけ始めるが、残り50kmのクロワ・モランではベン・ヒーリーが今度はアタックをするも決まらず、そのままヒーリーが引っ張る形で7人の先頭集団が形成される。

残り26kmからの長い上りでヴィズマからはゼップ・クスやヨルゲンソンといったアシストが交互にアタックを仕掛けてUAEを揺さぶる。総合タイムが良いヨルゲンソンにはポガチャルが反応、ヴィンゲゴーが背後をマークしてメイン集団がペースアップ。

2級山岳の6つ目、クロワ・サン・ロベールでは相変わらず先頭はヒーリーが引っ張る形で通過、メイン集団とは5分30秒で事実上ステージ優勝は先頭集団のメンバーに絞られ、バーチャルでマイヨ・ジョーヌは3分55秒差のベンヒーリーに移る。メイン集団ではポガチャルの周りにUAEのアシストはおらず、ヴィズマは3人を残す盤石の体制。

ラストのモン・ドール峠頂上ゴールの上りでは、これまで先頭集団で全く動かなかったサイモン・イェーツが満を持してアタック、ベン・ヒーリーらは遅れてしまい、唯一アレンスマンだけが食い下がって追走するものの、そのままサイモン・イェーツが逃げ切ってステージ優勝。総合タイムで最も順位が上のベン・ヒーリーは31秒差でゴール、ポガチャルの結果を待つ事に。

メイン集団ではアシストの有無関係なしにポガチャルがアタック、ついて行けたのはヴィンゲゴーのみ。そのうちマルティネスが追いついて最後は3人のグループとなり、ポガチャルが仕掛けるかと思いきや最後まで動かずそのままゴールしてしまった。結局、ベン・ヒーリーとは4分20秒差でのゴールとなってしまい、何とベン・ヒーリーがまさかのマイヨ・ジョーヌを獲得した。

おそらく、ポガチャルが本気で追えばマイヨ・ジョーヌのキープは可能だったはずだが、アシストに怪我と体調不良者が出てチームに余裕が無く、あえてマイヨ・ジョーヌを手放して明後日からのレースでアシストの負担を軽減させる選択をしたのだろう。逆にヴィンゲゴーはポガチャルを丸裸にしながら目立った攻撃は出来ず。いくらポガチャルに隙が無くても、このまま一矢報いる事も出来ず終わってしまったら寂しすぎるよね。

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