退場者やCBの怪我が相次ぎ、大量失点する試合が続いている15位のパルマは、ようやく前節のボローニャ戦でスコアレスドローとはいえ無失点で終え、今節は勝ち点2差で14位の昇格組、コモとアウェイで対戦。コモは4-2-3-1のフォーメーションで、パルマは4-1-4-1で鈴木彩艶はもちろんGKで先発。
試合はいきなり、コモのシュートを鈴木がファインセーブ。オフサイドにはなったが、鈴木にとっては良い立ち上がり。その後もホームのコモがボールを保持する流れ、9分には右サイドを抜け出されてシュートもわずかにバーの上。17分、ショートコーナーからクロスが流れたボールを鈴木が飛び出してキャッチ。
パルマも前半20分にカウンター、右サイドからのクロスをボニーでヒールで流し込むオサレゴールでアウェイのパルマが先制する。コモは2分後に左からのクロスをシュートも鈴木が足で止める(オフサイド)。33分にはクロスからヘッドを打たれるが鈴木が正面で弾く。
しかし前半45分にコモがカウンター、左サイドでカットインからのスルーパスをパルマCBがスライディングで止めたが、こぼれ球がアルゼンチン代表ニコラス・パスの前にこぼれて押し込まれる。これはさすがに鈴木もノーチャンス。
後半もホームのコモが攻勢、パルマはずっと自陣に押し込められる。8分にはクロスからヘッドを打たれるが威力なく鈴木が難なくキャッチ。14分には相手のスルーパスに鈴木が飛び出しPA外でカット。34分にはコモのFKにファーでフリーの選手が飛び込むが空振り。
37分にはコモがシュート性のクロスを出すが鈴木がしっかりセーブ。ロスタイムには強烈なブレ球ミドルシュートを撃たれるが、ボールは幸いにもポスト右。パルマも3分にボールを回してシュートも枠外。4分にはコモが左サイドでダイレクトクロスも鈴木がキャッチ。そしてそのまま1-1で試合終了、鈴木の見せ場は少なかったがミス無く最少失点で抑える事が出来た。
パルマの場合は鈴木のキックを速攻の基点にする意識がチームに浸透しており、鈴木までボールが渡る瞬間に前線の選手が走り出している。それに比べて、先日のオーストラリア戦で失点した場面では、鈴木のキックに対して日本の前線は全員突っ立ったままで、あっさりボールを回収されて二次攻撃を食らってしまった。鈴木の武器であるキック力をチームに組み込めないと、日本がここから一段レベルアップするのは困難だろう。