「ヴィンゲゴーが復活&反撃の狼煙を上げる勝利」ツール・ド・フランス2024 第11・第12ステージ

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第11ステージは、エヴォー・レ・バンからル・リオランまでの211km。オーヴェルニュの中央山塊にあるリゾート地がゴールの中級山岳コース。

当然、逃げが決まりやすいコースとあってスタートから激しくアタック合戦が繰り広げられ、82kmを過ぎたあたりでようやく10人の逃げが決まる。しかしUAEは大逃げを許さず、メイン集団を牽引してタイム差は2分程度を保って1級山岳と2級山岳2つが続く難所が始まる残り45kmへと突入する。

その勝負どころで集団のペースが上がったところで、ヴィズマのファンアールトがオーバースピードで壁に当たって落車、ヴィンゲゴーは有力なアシストを失う事態。最初の2級ネロンヌ峠で、先頭集団からオイエル・ラスカノとベン・ヒーリーが抜け出しトップは2人に絞られる。

そして次の1級山岳ピュイ・マリー・パ・ド・ペイロルでは、頂上付近でポガチャルが予想通りにアタックを仕掛け、ヴィンゲゴーやログリッチが追撃するも差はジリジリと広がる。エヴェネプールは反応できずひたすらマイペースで刻むのみ。

下りではポガチャルがヴィンゲゴーを引き離すも、ヴィンゲゴーにはログリッチが追いついて30秒差をキープ。下りの終わりごろには遅れていたエヴェネプールもヴィンゲゴーのグループに追いつき、最後の2級山岳ペルテュス峠に突入する。

このままポガチャルが差を広げて勝利かと思いきや、ポガチャルのペースがイマイチ上がらず、ヴィンゲゴーはログリッチを切り離して軽快に差を詰めていく。そしてラストでは2人のゴールスプリントとなり、そこでもポガチャルが意外と伸びず、結局ヴィンゲゴーが粘って勝利。

今年のツールはポガチャルで鉄板かと思いきや、ヴィンゲゴーは持ち前の長距離登坂力が復活、ポガチャルはややスタミナに弱みを見せ、エヴェネプールが遅れてポガチャルと2位の差は1分6秒と広がったが、厳しい山岳が連続する後半戦が楽しみな展開になってきた。

第12ステージは、オーリヤックからヴィルヌーヴ・シュル・ロットまでの203.6km。オーヴェルニュの丘陵を降りて平坦なゴールを迎えるスプリンター向けのステージ。

コースに3つある4級山岳を取りに、山岳賞ジャージのアブラハムセンが加わった4人の逃げでレースは始まる。途中で3分半のタイム差は付いたものの、途中からスプリンターを擁するアルペシンやアンテルマルシェ、モビスターといったチームが引いてタイム差が縮まっていく。

アブラハムセンはきっちり3ポイントの山岳ポイントを取ってポガチャルに並び、残り40km地点でメイン集団に吸収される。すると12km地点で落車が発生、なんとログリッチが巻き込まれて集団から遅れてしまい、アシストが必死で引っ張るもゴールが迫ってペースが上がる集団との差は広がるばかり。

ヴィルヌーヴ・シュル・ロットのゴール地点は道が細く、集団が縦に伸びる難しいラストの中、スプリントはデマールやフィリップセンを抑えてマイヨヴェールのギルマイが先頭でゴール。これで区間3勝目となり、ポイント賞首位をガッチリ固める事となった。そしてログリッチのグループは結局トップから2分27秒差でゴール、総合争いからは大きく脱落する痛いアクシデントとなった。

第13ステージも平坦なスプリンター向けのコース。今年のツールは最終ステージがパリ五輪のためにシャンゼリゼではなく、ニースがゴールのタイムトライアルになっているため、実質的にマイヨヴェール争いは残り2ステージとなる。果たしてこのままギルマイが圧倒して終わるのだろうか。

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