第8ステージは、スミュール・アン・オーソワからコロンベ・レ・デュー・エグリーズまでの183.4km。途中3級山岳が2つ、4級が3つあり、ラストの1kmは4%の上りが待ち受ける丘陵ステージ。
ポイント賞争いの有力候補だったピーダスンが落車の影響で不出場となったスタート。アクチュアルスタート直後に飛び出した山岳賞のアブラハムセンが単独で逃げ、59km地点のスプリントポイントまでの山岳賞3つを着実に拾っていく。5分以上遅れたメイン集団ではマイヨヴェールを着るギルマイがトップで通過。
アブラハムセンは残り2つの4級山岳も全て取ると、そこからはメイン集団が差を詰めて残り13km地点でアブラハムセンを吸収。上りのゴールスプリントでは大柄なピュアスプリンターが伸びない中、マイヨヴェールのギルマイがフィリップセンを差し切ってステージ2勝目を飾り、ポイント賞首位をガッチリキープした。
休養日前の日曜に行われた第9ステージは、シャンパーニュの街トロワをスタートしてトロワに戻る199km。「シュマン・ブラン(白い道)」と名付けられた未舗装区間が14箇所、パリ=ルーベのようにそれぞれのセクターには3つ星で難易度が示されている。
スタートからは激しくアタックが繰り返され、最初のセクター14の前に10人の逃げが決まり、さらにメイン集団からはピドコックとベン・ヒーリーの有力選手2名が合流、逃げ集団は12人になる。
セクター12ではヴィンゲゴーがパンク、チームメイトの自転車を借りて再スタートというアクシデント。そしてセクター10では総合2位のエヴェネプールがアタック、すぐさまポガチャルが追走してライバルを離しにかかるが、ヴィンゲゴーも反応して追いつく流れ。
残り47km地点で8人に減った先頭の逃げ集団を追って、世界チャンピオンのアルカンシェルを着るマチュー・ファンデルプールがアタック、ギルマイらも合流して7人で追撃するが、意外にもペースが上がらず先頭との差が45秒から縮まらない。
そしてセクター4では再度ポガチャルがアタック、ライバルとの差が一気に広がったが、アシストのヨルゲンソンがヴィンゲゴーを引っ張って力強く追撃、ペースが落ちたところでエヴェネプールとログリッチが追いつき、またもポガチャルのアタックは不発に終わる。
逃げ集団では残り10kmを切った地点からストゥイヴェンが単独でアタック。一時は10秒以上の差がついて逃げが成功したかに見えたが、ゴールが近づいて後続が一気にペースアップ、残り1kmでストゥイヴェンを吸収。7人によるゴールスプリントでは、テュルジスが最後に鋭く抜け出しステージ優勝。
結局ファンデルプールのグループは1分17秒、マイヨ・ジョーヌのメイングループは1分46秒の差でゴールし、総合争いでは大きな動きは無かった。第10ステージは再び完全平坦ステージ、ギルマイを追ってのマイヨヴェール争いが白熱しそうだ。