「日本サッカートップに初めて世界を知る世代」”ツネ様”宮本恒靖JFA新会長に期待する事

スポンサーリンク

昨日、任期満了で退任する田嶋幸三会長の後任として、宮本恒靖氏が47歳という史上最年少の若さで、第15代JFA会長に就任する事が決まりました。

【会見全文】宮本恒靖氏が新会長に 日本サッカー協会 戦後最年少で 元日本代表 ワールドカップにも出場 | NHK | サッカー

私は常々、日本が真のサッカー大国となるには、世界の舞台で戦った経験がある選手がサッカー界を率いるようにならないと、本当に必要な強化策を実行する事が出来ないと思っていたので、2002年、2006年とW杯に出場してキャプテンを務めていた宮本氏の就任は、ようやく第一歩を刻める慶事であるはずでした。

しかし2002年W杯後に、川淵元会長によってトルシエ路線が完全否定、途中で原氏のクーデターがあったもののアギーレ監督の八百長疑惑と共にあっけなく頓挫、川淵-田嶋の2代会長によるスポンサーファースト路線が確立。

そして代表においては、自分の戦術と権威を優先してスター選手を排除するような外国人監督は代表から完全に排除、スター選手の起用を望むスポンサーを最大限に優先、スター選手自身がやりたいサッカースタイルと戦術、選手起用を決めて、監督は物分かりよく追認する置物の兄貴分を据える、いわゆる”ジャパンズウェイ”の浸透に邁進しました。

その田嶋会長の後ろ盾によって宮本氏擁立された背景を考えると、そう簡単に従来路線を捨て去ることは極めて難しいと容易に推察されます。それに、宮本氏は2002年のW杯を率いていたトルシエの戦術をアジャストした張本人でもあり、ある意味ジャパンズウェイの始祖とも言える存在でもあります。

とは言え、現代のサッカーは相手を徹底的に分析、試合中もリアルタイムで戦術や選手を変更しながら、徹底して相手の弱点を突くことが勝利の条件になりつつあります。先日のアジア大会を見ても、「選手の自主的な対応力に期待する」ジャパンズウェイでは既に2周りぐらい時代遅れになっているのは間違いありません。

表面的には田嶋路線を継承しつつも、現代のサッカー・コモンセンスをどうやってキャッチアップして行くのか。まずは何よりも、JFAのS級コーチとUEFAのプロライセンスの互換を果たし、日本の指導者がヨーロッパでの指揮を取れるようにする事。それに付随してヨーロッパの指導メソッドを積極的に日本へ取り入れる事。そして最近とみに増えてきた若年代で海外移籍をした選手に対する生活、メンタル的なフォローもお願いしたいところです。

田嶋会長は院政を敷くつもりは一切ないと書いてますが、当面はしがらみもあって現路線を大きく変える事は難しいでしょうし、中田英寿ならともかく宮本の性格的にもそういうやり方は好まないでしょう。一歩ずつ、自分のスタイルを出していっていただければ良いのではないかと思います。

タイトルとURLをコピーしました