グループEは3試合を終えてフェイエノールトが勝ち点6で首位、ラツィオは勝ち点4で3位につけている状態での2度めの対戦。ラツィオのフォーメーションは4-3-3で、鎌田はインサイドハーフで久々に先発復帰。フェイエノールトも4-3-3の形で1トップはヒメネスが先発、上田綺世はベンチスタート。
ラツィオは5分に鎌田がボールを繋いでルイス・アルベルトのクロスでインモービレのシュートシーンを作るなど積極的な立ち上がり。11分には鎌田が右サイドでボールを受け、ダイレクトの折返しはカットされたが、すぐに自分で奪い返してまた折返しと、良い場面を作る。
フェイエも31分にボールを奪って左サイドからハーフカウンター、最後はヒメネスがスルーパスを受けてシュートもラツィオGKプロヴェデルが触って何とかゴールを外れて失点にはならず。
試合が動いたのは前半ロスタイム、ラツィオがセンターサークル付近でボールを奪うと、フェリペ・アンデルソンからDFライン裏へパスが通り、インモービレが前に出たGKを交わして角度の無いところから流し込んでゴール、ホームのラツィオが先制点を決める。
後半8分に、鎌田はゲンドゥージと交代で下がる。18分にはインモービレとザッカーニが下がってカステジャーノス、ペドロが入る。それでもフェイエの攻勢は続き、ラツィオは何とか守備の人数をかけて凌ぐ苦しい展開。
それでもフェイエノールトは、後半35分を過ぎると攻め疲れが見えて試合は膠着状態。そして後半36分にいよいよ上田綺世が投入、ヒメネスと並んで2トップに入る。上田はDFと中盤のライン間にポジションを取ってボールを待つのだが、なかなか良い形でボールが入らない。
そして後半ロスタイム6分、上田がカウンターからロングボールを胸で受けて倒されるがノーファール、その後に上田が縦パスを受けて倒されFK、キックは相手にクリアされたがセカンドボールを拾ってのクロスに上田がヘディング、ゴールに飛んだがプロヴェデルに防がれゴールならず、そして1-0で試合終了。
鎌田と交代で同じポジションに入ったゲンドゥージのプレイを見ると、鎌田に足りない部分が守備である事が良く分かる。鎌田はゲンドゥージに比べると守備のアンテナ範囲が狭いというか、カバーリングに動く回数や距離が少なくて、相手をマークして体を当てたり、プレスを二度追いする事がほとんど無いので、傍目からはディレイさせるだけの守備になってしまっている。たまにタックルなんかもしてみるのだが、ぶっちゃけ下手(笑)。
ドイツや日本代表でのインサイドハーフであれば、そんなプレイスタイルでもまだ通用するのかもしれないが、イタリアでのインサイドハーフでモデルとなるのは、ガットゥーゾやアンブロジーニといった、いわば”闘将”であり、ただ冷静にバランスを取るプレイでは評価されないポジション。かつて中田英寿や本田が直面した課題に、鎌田もまた苦しんでいると言えるだろう。