ドイツ戦の快勝を受けて、ベルギーのゲンクで行われたトルコとのキリンチャレンジカップ。日本のスタメンは、誰もが予想しなかった10人取っ替えで、GK中村航輔、DF伊藤洋輝、町田、谷口、毎熊、ボランチが田中碧と伊藤敦樹、2列目が中村敬斗、久保、堂安、1トップが古橋の4-2-3-1。
しかしトルコもアルメニア戦から9人を取っ替え、エースのハカン・チャルハノールがベンチスタートの互いに親善試合モード。フォーメーションは予想通り4-1-4-1の形。
試合は日本がボールを持つ展開で始まるが、ドイツ戦のAチームに比べるとビルドアップのスピード、判断が遅くて相手を動かしてフリーの選手を作ることが出来ず、常に相手のマークが追いついて自由なプレイをさせてもらえない。
攻撃陣も意思疎通が乏しく手探りのギクシャクした攻撃が続いていたが、前半15分に堂安が右サイドで粘ると、伊東敦樹がカットイン、堂安のワンツーからミドルを叩き込んで日本が先制する。
20分には久保が中盤でフリーになると、古橋にピンポイントのスルーパス、マークを交わしてシュートも左に外れる。26分には右に流れた久保のスルーパスから堂安が飛び込むもわずかに合わず。
しかし前半28分、高い位置で伊東敦樹がボールを奪うと、スイッチした久保が無回転ミドル、シュートはGK正面だったがここまで完全に試合から消えていた中村敬斗が押し込んで日本が追加点。さらに前半35分、毎熊がデュエルからボールを奪ってカウンター、折返しを中村敬斗が股抜きゴールを決めて3点目。
トルコも後半43分に毎熊がファールを犯してイエローを貰ったFKから、ファーでヘッドで折り返され中でオバクに押し込まれて1点を返される。このシーンで中村が肩を痛めてGKがシュミット・ダニエルに交代する。
後半の日本は、堂安と中村、毎熊を下げて伊東純也、前田、橋岡を投入、ポジションに変更なし。さすがにトルコは尻に火がついたようで、前半よりも守備での寄せの速さが目立つようになり、日本にミスが多くなる。
それでも11分に久保が中でボールを受けてヒールからのターンでシュートも相手に当たってゴールポスト、その後の田中碧のミドルはGK正面。14分には中盤でのパスカットから伊東のスルーパスに古橋が抜け出すもシュートはわずかに外れる。
トルコは後半16分、左サイドからニアゾーンで繋がれ、最後はユルドゥルムに押し込まれ
1点差に迫られる。17分には、日本も久保、前田と繋いでクロスを古橋が合わせるもまたクロスバー。ここで伊東敦樹に代えて遠藤を入れる。
しかし日本は球際のデュエルで後手にまわり、25分過ぎには立て続けにトルコからシュートを浴びるも、シュミット・ダニエルが何とか防いで耐える展開。しかし31分、日本はカウンターから伊東純也が単独でドリブル、PA内まで入ったところで肩を掴まれて倒され、当然のPK判定。キッカーは伊東で、冷静に逆を取って4点目。
ここで日本は町田に代えて冨安が入る。そこからはトルコがボールを保持するも、日本も何度か良い形を作りつつ時間を使い、3分のロスタイムも失点を許さず4-2で試合終了、日本は欧州遠征を連勝という結果で終えた。
まあ初戦は腑抜けのドイツ、2戦目はどちらも舐めプの試合で、日本に3点目が入ってからようやく世界レベルのプレッシャーが来たなという感じだったので、もっとこんなヒリヒリした時間を長く味わいたかったなというのが本音かな。
そして日本はスタメンとサブ組に力の差がある事を露呈したのも確か。DFはドイツ戦と比べるとラインが低くて主導権が取れず、毎熊は良かったが橋岡は評価を下げ、伊藤敦樹と田中碧は継続性に欠け、古橋、前田のスコットランド組も挽回はならなかった。
ただ、中村敬斗だけは完全に異質だよね。シュートの上手さ、冷静さは古橋よりも上回っているぐらいだけど、オフ・ザ・ボールがさっぱりで試合から消えっぱなし(笑)。この異能なタレントを活かる事が出来れば日本はW杯への道が近づくことは確かだろう。
とにかく代表戦だけでの成長は不可能なので、これからサブ組が所属クラブでどれだけレベルの高い試合を経験できるか。そこが、日本がW杯で優勝するための必要条件となるのは間違いないだろう。