「並み居るスプリンターはフィリップセンに太刀打ちできず」ツール・ド・フランス2023 第11・12ステージ

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第11ステージは、中央山塊に別れを告げてアルプス山岳へ向かって移動する、4級山岳が2つだけの完全平坦コース。

さすがに逃げて勝利が出来そうなステージではないので、スタート直後にアンドレイ・アマドールとダニエル・オス、マティス・ルーヴェルの3人が飛び出すとメイン集団はあっさり逃げを容認。

しかしアクシデントによる逃げ切りを警戒してか、メイン集団も2分差以内のリードしか許さずペースをコントロール。さらにレース後半になって雨風が強まると、危険回避のために有力選手が集団の前に上がって来る動きを見せ、それにつれて全体もペースアップ。残り60km地点で先頭が見える位置まで詰まってしまう。

ここでダニエル・オスが先頭3名から1人だけ飛び出して抵抗を見せ、残り13km地点まで粘りの走りを見せるもようやく吸収。ムーランのゴールスプリントでは、クリストフを皮切りにフルーネウェーヘンが飛び出すも、番手に入ったフィリプセンがあっさり抜き去り余裕の勝利。

これまでアシストをしていたファンデルプールが不在の中、単独でスプリントに加わって2車身差をつけて勝てるとは、平坦でのスプリント能力ではフィリップセンが他を圧倒している事実を見せつけた格好になった。

翌日の第12ステージは、ロアンヌからベルヴィル・アン・ボージョレ、ロアーヌ川沿いの丘陵地帯、ブルゴーニュ・ボージョレのワイン畑を横切るフランスならではのコース。

道中に3級山岳が3つ、終盤に2級山岳が2つある厳しいアップダウンがあるだけに、スタートから逃げ屋が次々にアタックするも、メイン集団がひたすらこれを潰しにかかる展開が延々と続く。

このハイペースに、フィリップセンらのスプリンター、そして何と山岳賞のパウレスまで集団から遅れ、全体が分裂した流れでコースの半分以上がこのまま過ぎてしまう。そして残り70km地点で、ようやくアラフィリップ、ファンデルプールらを含む15人の逃げ集団が形成され、あっという間にメイン集団と2分半の差をつける。

最初の2級山岳クロワ・モンマンの上りで、ファンデルプールがアマドールを振り切って単独で逃げ出し独走体制を築くが、先頭集団から7人が必死で追いつき、最後の2級山岳クロワ・ロジエの8人で突入する。この時点でメイン集団との差は4分以上で、ステージ勝利はこの8人にほぼ絞られる。

そしてクロワ・ロジエの上りでヨン・イサギレがアタック、ファンデルプールはついて行けず集団から脱落、頂上で20秒の差をつけて下りに入ると、イサギレと6人との差がジリジリと広がっていく。そしてそのまま1分の差をつけてイサギレが逃げ切り勝利。メイン集団は4分14秒差でゴール、総合争いに動きは無かった。

第13ステージは、137.8kmと短い距離だが、最後に超級山岳グラン・コロンビエを登り切ってのゴール。最後の上りにスタミナを集中できる分、ヴィンゲゴーよりポガチャルが有利なコースだと思うが、果たしてここでマイヨ・ジョーヌの逆転劇が見られるのかどうか、注目のステージである。

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