「偽SBは絵に描いた餅、まずは現実を直視すること」キリンチャレンジカップ 日本-コロンビア

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第2次森保ジャパンの2戦目となるコロンビアとのキリンチャレンジカップ。日本はGKシュミット・ダニエル、DFがバングーナガンデ佳史扶、伊藤、板倉、菅原、ボランチが鎌田と守田、2列目が三笘、西村、伊東、1トップが町野という少々意外なメンバー。

とは言え、試合の入り自体は悪くなかった。前半3分にサイドライン際から菅原のロングパスを町野がキープして守田がダイレクトクロス、これを三笘が頭1つ抜け出る高い打点のヘディングを決めて日本が先制する。

その後も、町田、西村のFW陣が徹底的に前からプレスを仕掛け、ボランチは鎌田が引いてビルドアップを担当、守田は高い位置で攻撃をサポート、3人からマークを受けている三笘が中に入って相手を引き付け、それで出来たサイドのスペースにバングーナガンデ佳史扶がオーバーラップして基点を作り、ウルグアイ戦よりはチームの組み立てがはっきりしていた。

ただ、コロンビアも日本の攻撃に対してすぐさま修正、鎌田にマークを付けてビルドアップを封じ込めると、そこからは完全に攻撃が停滞。日本は前線とDFラインが間延びして、前線は相手のマンマークを受けて縦パスを入れられず、偽SB戦術は全く意味をなさない。

前半33分に相手GKのキックに板倉が前に出て競り合ったのはいいが、菅原が偽SB戦術のせいか中に絞ってサイドががら空き、マチャドの折り返しをデュランが決めて同点。コースには鎌田が戻っていたが全く反応できなかった。

後半から町野と鎌田に代えて上田と遠藤が投入されるが、前方プレスとビルドアップ役がいなくなって完全に日本の攻撃は停滞、15分には足を痛めたバングーナガンデ佳史扶を下げて伊藤をSBに移して瀬古をCBに入れる。が、これが裏目に出て16分に伊藤が裏を取られて瀬古が競り負け、シュートはシュミット・ダニエルが止めたがこぼれ球をボレがオーバーヘッド、これが決まって日本がリードを許す。

日本は後半33分に守田から浅野に交代、森保監督からのメモが回って中盤ダイアモンドの4-4-2へと攻撃的な布陣へと変更するが、そこからは完全に攻撃がバラバラ、トップ下なはずの久保が下がってゲームメイクをする始末。終盤は日本が見た目では押し込むが、効果的な攻めは見せられず1-2で試合終了。

ウルグアイ、コロンビアともにマンマーク守備で球際の強さを全面に押し出してくるチームで、ビルドアップの形が無い日本はパスワークを寸断され、結局前線からのプレスバックでボールを奪ってハーフカウンターからしかチャンスを作れない既視感のある森保ジャパン、前途多難な第2次の船出であった。

数少ない収穫としては、バングーナガンデ佳史扶と三笘の関係性は良好で、長友二世らしいダイナミズムがあって今後も代表に呼ばれそうだ。町野と西村も、森保ジャパンのうちはプレス要員として重宝されそう。守田と遠藤の調子が悪かったのもあるが、鎌田のボランチはゲームメイカーとして悪くなかった。が、これではW杯ベスト8からは程遠い。偽SBとか理想論を振りかざす前に、いろんな部分が足りない現実を直視して基礎を作る仕事がまず先だろう。

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