パリ五輪世代となるU-22日本代表が、ドイツとベルギーという強豪と親善試合を行う今回の欧州遠征。何故か今回に限ってNHK-BSが生放送に加えて録画放送まで行うという手厚い体制。
大岩監督が選んだスタメンは、GK鈴木彩艶、DF加藤、木村、西尾、内野、ボランチが川崎颯太と山本理仁、2列目が山田、鈴木唯人、佐藤、1トップが細谷の4-2-3-1。対するドイツは4-3-3のフォーメーションで、フランクフルトのクナウフとアリドゥ、シャルケのクラウスなどブンデスリーガで活躍している選手も多い。
日本は積極的にハイプレスを仕掛けるのはいいんだが、そこを一度剥がされるとドリブルでズルズル持ち込まれるシーンが目立ち、9分には中でのポストから反転シュート、こぼれ球をまたシュートと立て続けに決定機を作られるが、日本のGK鈴木彩艶がことごとく止めてしまう。
昨日行われたA代表のウルグアイ戦同様に、日本は攻撃の場面で相手のフィジカルに負けて安定したキープが出来ず、つい安全なバックパスに逃げてしまってなかなかファイナルサードへボールを運ぶことが出来ない。25分にようやく鈴木唯人が左サイドをドリブルで持ち上がり、折り返しを佐藤がファーストシュートも相手に当たる。
それでも日本は何とか耐えていたが、39分に鈴木彩艶がセーブしたこぼれ球をエンガンカムが拾ったところで内野が後ろから足を出してしまってPK、これをエンガンカム自身が決めてドイツが先制。しかし日本も41分に山田が右サイドから惜しいカットインミドルを放つと、直後のCKでニアで西尾がフリック、それを佐藤が押し込んで日本が同点に追いつく。
さらに後半開始からのワンプレーで、交代で入ったドイツの右SBアスターのバックパスを佐藤がインターセプト、折り返しを細谷が押し込んで日本が逆転に成功する。が、3分後にそのアスターのオーバーラップからのクロスを決められ再び同点に。
後半9分にもエンガンカムが強引にシュートも鈴木がまたセーブ。後半14分には松村と藤田譲瑠チマが入る。17分にもフリーだった相手にシュートを打たれるがまた鈴木がキャッチ。後半30分には西川潤、田中聡、木村勇大がさらに投入される。
35分にはドイツが一発のロングボールからシュートもまあ鈴木がキャッチ。1分後にも同じような形からまたシュートを浴びるがセーブ。40分には平岡、中村が最後に入るが、ドイツ優勢の戦況は変わらずそのまま2-2のドローで試合終了。内容からするとラッキーなドローではあったが、ブンデスリーガでレギュラーを張っている選手がゴロゴロいる事を考えれば健闘だろう。
A代表のウルグアイ戦に比べると選手の腰が引ける事なく、縦パスやドリブルなど局面で個人能力を発揮しているシーンが多いのは頼もしいが、守備面ではドリブルに対する抵抗力があまりに弱く、人数が足りていてもクロスからあっさりシュートを打たれるなど、カバーリング能力が低い印象は否めなかった。
次のベルギー戦では、攻撃面である程度やれる事は確かなのだから、まずは安定した守備で失点を減らす事を目標にしてもらいたい。