いや、まさかこんな事が現実に起こってしまうとは想像すら出来なかった。
日本の前半は、まさにブラジルW杯コートジボワール戦、アジアカップ決勝カタール戦の再現、日本はミエミエの4-2-3-1フォーメーションを読まれ、ドイツが左SBラウムを高い位置に上げて3バック化した事で日本はプレスがはまらず、伊東と久保の両SHが守備に回って鎌田と前田が孤立。
さらにトップ下のミュラーが右サイドに寄って田中碧が引っ張り出された事で、中盤を遠藤1人が見ないといけなくなり、さしもの遠藤も対応が後手に回ってカバーが遅れ、バイタルエリアでいいようにボールを繋がれシュートの雨を浴びるが、相手の決定力不足と権田の奮闘でなんとか前半を0-1で終わらせたものの、ドイツのボール支配率は実に81%、鎌田が嘆くのも当然な0-4になっててしかるべき惨憺たる内容だった。
ところが後半から久保に代えて冨安を入れて日本は3-4-2-1のフォーメーションに修正、これでマンマークの対応に変更して守備を安定させると、後半12分には長友に代えて三笘、前田に代えて浅野を投入、三笘をウイングではなくてWBにするという一見すると謎采配。
【ドイツ代表】
リュディガーの煽り走りをもう一度!
pic.twitter.com/VTsKdq2Dcg— サッカー好きのための拾い読み速報 (@soccer_soku) November 23, 2022
案の定、三笘は守備に追われてほとんどボールに触れず、ドイツはスペイン戦を考えたかギュンドアンとミュラーを交代で温存、リュディガーさんにも舐めプ守備をされる始末(笑)。さらに足を痛めたように見えた酒井宏樹に代えて堂安を右WBの位置に入れて南野をウイングに投入、鎌田をボランチに下げるヤケクソ采配(に見えた)。
ところがその用兵がまさかの大当たり、三笘がようやくサイドでボールを持つとドイツはドリブルを警戒して足を止めると、左に流れた南野にスルーパス、シュートはノイアーに防がれたがこぼれ球を堂安が押し込み同点。ここでドイツは、前半に苦しめられていたムシアラをゲッツェに変えるフリック監督の助け舟。
すると、普段は簡単な決定機を決められない浅野が、自陣からの板倉のFKにオフサイドぎりぎりで抜け出し、まさかの神トラップからノイアーの頭上を撃ち抜く、2年に1度のスーパーゴール。日本がドイツに勝つには、4年前の乾がそうだったように、決定力の神様が降臨する必要があると思っていたら、それが浅野にやって来てしまったとはビックリである。
日本はドイツ相手に大金星を挙げたとはいえ、前半のドイツに対する修正が後半からだったのはあまりに遅すぎたし、やはり戦術を選手に丸投げする森保監督の手段を評価は全く出来ないけれども、「持っている」人である事は間違いなさそうだ。
この後に行われたスペイン対コスタリカは、なんとスペインが7-0で爆勝。日本も展開と運次第ではそうなっても不思議じゃなかったとはいえ、コスタリカが草刈り場になって日本は勝ち点6を取っても得失点差でグループリーグ敗退の可能性も出てきた。酒井の怪我も気がかりだし、この勝利に酔いしれる事なく、コスタリカ戦に向けてしっかり準備をしていただきたい。