ここまで札幌、鳥栖、福岡、鹿島とJ1の4クラブを破って、J2として8年ぶり4チーム目の決勝に進出したヴァンフォーレ甲府。対戦相手はJ1で3位のサンフレッチェ広島。甲府のフォーメーションは3-4-2-1、広島も同じ形の完全マッチアップ。
試合はJ1の広島がほぼボールを支配する流れでスタートするが、甲府も14分、15分と高い位置でボールを奪ってシュートの場面を作る。すると前半26分、ショートコーナーからニアゾーンに飛び込んだ荒木が折り返し、これをニアに入った三平が決めて甲府が先制する。
広島は後半から森島とドゥグラスに代えてエセキエルとベン・カリファを投入。しかし前半から引き続いて、柏、野津田の左サイドが機能せず決定機を作るまでには至らない。逆に29分には、甲府が一発のカウンターからウィリアン・リラが放ったシュートがクロスバーに当たる。
広島は後半34分に、野津田に代えてソティリウを投入、甲府を一方的に押し込む流れに。すると後半39分、エセキエルのドリブルから股抜きパス、これを川村がダイレクトで豪快なシュートを決めて広島が同点に追いつく。
後半ロスタイムにはロングボールにスルッとソティリウが抜け出しシュートも、甲府GK河田が素早く飛び出し体に当てて防ぐ。そしてそのままスコアは動かず15分ハーフの延長戦に突入する。
延長前半2分、広島は満田がクロスバーに当たる直接FKを放つがオフサイド。その後は塩谷を前線に上げて2トップのような形を取る広島がボールを保持し、甲府は1トップのウィリアン・リラにロングボールを集めて一発のチャンスを狙う。10分には満田のロングシュートが枠に飛ぶがGK河田が横っ飛びでセーブ。15分には川村が左からシュートもファーに外れる。
甲府は延長後半7分にフォゲッチとベテランの山本英臣を投入、PK戦を視野に入れた交代を図る。が、広島は9分に右サイドを突破、折り返しをフリーの塩谷がボレーシュートも、甲府の須貝が何とか足を出してコースを防ぐ。そして11分、満田からの縦パスに山本が腕を出したという判定でPK、しかし満田のキックは河田がコースを読んでスーパーセーブ。そして試合はPK戦へ。
PK戦では、どちらも3人目までは決めたところで、広島4人目の川村はコースが甘くて河田
にセーブされる。甲府は5人目、PKを与えた山本がしっかり決めて甲府が天皇杯初優勝、ついでに来期のACL出場権獲得を決めた。
J2クラブが天皇杯に優勝したのは11年前にFC東京が達成しているが、その時は既にJ1への昇格が決まっていたため、翌年もJ2のチームが優勝したのはプロリーグ創設以降は甲府が初めてらしい。
まあ甲府が良く120分間集中力を切らさずに守り倒した試合だったね。広島は何と言ってもPK失敗、これで全ての運がひっくり返されてしまった感じ。とにかく甲府の選手、関係者、サポーターの方々は本当におめでとう!