クラブ史上初となるチャンピオンズリーグ出場となったホームでの初戦は、選手が完全に舞い上がって全く普段のサッカーが出来ず、スポルディングに惨敗してしまったフランクフルト。2戦目は、同じく初戦を落としたマルセイユとアウェイで対戦。
フランクフルトは6試合ぶりに3バックに変更、リベロに長谷部、鎌田がボランチ、シャドーがゲッツェとリンストロムの3-4-2-1。マルセイユも3-4-2-1で、1トップにはアレクシス・サンチェス、酒井の同僚だったパイェがシャドーで先発。
試合が始まってすぐに、老師長谷部が入った効果ははっきり分かった。フランクフルトはアウェイながらラインが高くてコンパクトに守り、マルセイユは高いDFラインの裏を狙ったロングボールを多用するのだが、ラインブレイクのタイミングが絶妙でことごとくDF陣が先手を取れている。
それでもマルセイユが徐々にペースを握ると、12分には左サイドでパスを繋いで最後はアレクシス・サンチェスの強烈なシュートを放つが、わずかに枠の外。20分過ぎにはフランクフルトも鎌田の鋭い縦パスなどからリズムを取り戻し、25分にはコロ・ムアニが初めてのシュートを放つ。
前半42分、長谷部がファールを受けた後のリスタートからリンストロムが飛び出し、落としたボールを拾ってコロ・ムアニがスルーパス、相手のクリアボールがリンストロムのちょうど前に転がり、そのまま流し込んでフランクフルトが先制する。
後半もマルセイユがボールを支配する中、8分に中央で鎌田が相手のマークを弾き飛ばすドリブルから一気に右へパス、ヤキッチのクロスが相手に当たって浮いたボールをリンストロムがボレーもバーに当たる。
20分には、グエンドゥジを投入して4バックにしたマルセイユが左サイドを破り、折り返しがこぼれたボールをロニエがフリーでシュートも、フランクフルトGKトラップが鋭く飛び出して体に当てる。ここでゲッツェに代えてローデが入り、鎌田がシャドーの位置に上がる。
すると後半30分、鎌田がドリブルから3人に囲まれながらコロ・ムアニにラストパスも、シュートはGKに防がれる決定機をいきなり作り出す。そして34分、鎌田が一発のパスから抜け出し、GKとの1対1を制して流し込んだかに見えたが、オフサイドの機械判定によってノーゴールとされてしまう。
1分後にもコロ・ムアニの折り返しを鎌田がシュートもセーブされる。42分には、鎌田が中盤でボールを受けて中に切れ込むと見せてアウトサイドのパスでチャンスメイク、クロスに飛び込むが届かずローデのシュートはブロック。そして43分に鎌田が下がる。
フランクフルトは決してベタ引きにならず、38歳の長谷部が最後まで細かくラインをコントロールしつつパスカット、6分間のロスタイムも最後までしっかり試合をコントロールしてクリーンシートで試合終了。フランクフルトが長谷部のおかげでようやく本来の強さを取り戻した試合だった。
鎌田はボランチでは良く走ってカバーはしていたものの、まだ守備のデュエルには弱さがあるかな。でもシャドーに変わってからはキレキレでゲッツェの70分よりチャンスを量産していたので、どう考えてもゲッツェよりも鎌田だよね・・・まあ、ゲッツェはドイツのアイドルなので仕方ないのだが、これじゃ移籍したくなる気持ちは分かるよな~。