第14ステージは、サンテティエンヌからロワール川流域の丘陵地帯を走り、3級山岳が4つ、ラストは2級山岳のマンドまで10%の勾配が3km続いてのゴールというコース。
当然、スタートから逃げ屋がこぞってアタックを仕掛けるのだが、最初の山岳で何とポガチャルがいきなりアタックを仕掛け、ヴィンゲゴーがスッポンのようについて行く走りで逃げを吸収、メイン集団が分断される波乱の展開。
しかし2つ目の3級山岳でまた先頭集団からアタックが仕掛けられ、最終的に23人の逃げ集団が形成されると、メイン集団は一気にペースを落として逃げを容認、逃げメンバーの中で最も順位が高いメインチェスで15分の差があるために、最終的に12分の大逃げとなりステージ優勝が完全に絞られる。
残り53km地点で、シモンズのアタックにカウンターを仕掛けたマシューズが逃げ出し、後方からグロスチャートナー、ルイスレオン・サンチェス、クロンが追いつき4人の先頭集団となるが、3つ目の3級山岳でクロンがパンクにより脱落、3人の逃げになってしまう。
そしてラストの2級山岳マンドの坂で、残り2km地点からマシューズがアタック、ベッティオルが追いついて一度は追い抜いたのが、マシューズが再逆転からスパート、そのまま逃げ切って勝利。メイン集団ではお約束のポガチャルアタック、ヴィンゲゴーマークでゴールイン。総合でのタイム差はまたつかず。
第15ステージは、フランス南西部、ピレネーに向かうカルカソンヌまでの202.5km。途中で3級山岳が2つあるものの、今大会では珍しいスプリンター向けの平坦ステージ。
当然序盤から逃げのアタックが繰り広げられるが、何とマイヨヴェールのファンアールトとニルス・ポリッツ、ホノレと3人の逃げが成功するのだが、チームオーダーでファンアールトが下がって2人の逃げになってしまう。
この日はユンボ・ヴィズマにとっては受難の日で、ログリッチが怪我の影響でスタート出来ず、アシストのクライスヴァイクが落車で鎖骨骨折した上に、その後でマイヨジョーヌのヴィンゲゴーまで落車、何とか集団には追いつく事に成功する。
残り55km地点のスプリントポイントでは、ホノレ、ポリッツと続き、メイン集団からファンアールトが3位で通過、ここからトレックチームが集団の先頭に集まってペースアップ、ここで2人の逃げが吸収される。
2つめの3級山岳に差し掛かったところで、フランス人のバンジェマン・トマとグジャールがメイン集団からアタック、再び20秒程度の差を付けて逃げを形成する。
30kmを切るとメイン集団はバイクエクスチェンジチームが引く形に変更。さらにトタル、ボーラ・ハンスグローエの選手も前を引っ張り出す。残り10kmを切ってコースの道幅が狭くなると、落車の危険を避けるためにヴィンゲゴーが先頭近くに上ってくる。
先頭では残をり4kmでトマが単独でスパート、グジャールは集団に吸収される。トマはそのまま残り1kmを過ぎるまで逃げ続けるが、最後はメイン集団が吸収。ゴールスプリントはファンアールト、ピーダーセンとの争いを制したフィリップセンが勝利した。
第16ステージはいよいよピレネーに突入、1級山岳を2つ、最後のミュール・ド・ペゲールで18%の激坂をこなした後に27kmの長いダウンヒルを経てのゴール。下りのテクニック、チームの総合力が問われるステージだけに、重要なアシストを2人失ったユンボ・ヴィズマの動きに注目したい。