なかなか普通の平坦ステージがやって来ない今大会のツール・ド・フランス。第8ステージはゴールがスイスのローザンヌという大都市だが、ゴールのオリンピックスタジアムは丘の上にあり、最大斜度12%の3級山岳を登る必要があるスプリンター泣かせのコース。
この日は、前の2日間と違ってあっさりとマティア・カッタネオ、フレッド・ライト、フレデリック・フリソンの3人による逃げが決まり、集団は最大で3分30秒差での落ち着いた追走。
47km地点に設けられたスプリントポイントでは、マイヨヴェールのファンアールトが当然アシストを使って仕掛けるが、最後にヤスパー・フィリプセンが差し切ってファンアールトは5位でポイントゲット。
山岳コースに入って残り60km地点で、先頭からフリソンが遅れて逃げは2人となり、そこから28kmのダウンヒルを経てツール・ド・フランスはスイスへと入国、レマン湖畔のほとりを走り抜ける。
残り49km地点の第4山岳では集団と2分の差だったが、ユンボ・ヴィズマのファン・ホーイドンクの強烈な引きであっという間に30秒差、そして先頭ではカッタネオが遅れて、ライトが単独でラストのローザンヌの上りに入る。
集団は残り3km地点であっさりとライトをパス、UAEが引っ張りながら最後のゴールスプリント、最後はマイケル・マシューズが早めの仕掛けで先頭に立つが、コースが塞がれて出遅れていたファンアールトが猛然と捲ってマシューズを抜き去り、ステージ2勝目となるゴール。
ステージ3連勝を狙ったポガチャルは3位に終わったが、ボーナスタイムを4秒稼いで2位のヴィンゲゴーに対してはこれで39秒差をつける事となった。
日曜日の第9ステージは、後半に1級山岳が2つ続く中級山岳ステージ。おそらく総合争いではそれほど大きな差はつかないだろうが、調子の悪い選手は確実に脱落するサバイバルが繰り広げられる事だろう。