ヴィッセル神戸にロティーナ監督就任後、初めての試合は古巣セレッソ大阪との対戦。神戸のフォーメーションは4-2-3-1で、大迫の1トップにトップ下がイニエスタという形。対するセレッソは4-4-2の形で、乾は前節の柏戦で交代に不服の意思を見せたという事で無期限謹慎の処分で出場せず。
試合はセレッソがボールを支配する流れで始まるが、前半6分に大迫とのワンツーからイニエスタがシュート、直後にもイニエスタのパスから大迫がシュートと神戸もチャンスを作る。
神戸がロティーナ監督になって変わったところは、DFラインでのビルドアップがほぼダイレクトでスピードが早くなったところ。しかし中盤までボールが来た後についてはまだ未整備のようで、イニエスタを中心とした選手個人のアイデアに偏っている状態。
しかし先制したのはセレッソ。前半27分に山中のアーリークロスに加藤がフリーで合わせてゴール。加藤には酒井高徳が付いていたが、一瞬対応が遅れて振り切られてしまった。
神戸はイニエスタと大迫を中心に攻撃を仕掛けるが、逆に言うとそのラインに頼りすぎ、セレッソとしてはかえって狙いがはっきりして守りやすい展開になってしまう。それでも45分にイニエスタのドリブルからラストパスを汰木がシュートも枠を捉えられず。
後半から、神戸はイニエスタに代えて中坂を投入。これで前線の流動性が高まり、より多くの選手が攻撃に絡んで神戸の攻撃の形が増えるが、その時間も長く続かずセレッソがペースを握る展開に。そして神戸は後半16分にボージャンを投入する。
終盤はフォーメーションを4-1-4-に変更した神戸がボールを支配、セレッソがカウンターを狙う流れ。しかしどちらも決定的な形は作れず膠着状態に。後半ロスタイムには、大迫の落としからボージャンのクロス、これを菊池がヘッドもクロスバー、跳ね返ったボールも中坂が合わせられず、神戸は最大の決定機をものに出来ない。
そして試合はそのまま0-1で試合終了、神戸はロティーナ監督の初陣を飾れず10戦未勝利を継続という結果になってしまった。が、内容的にはセレッソと大きな差は無く、ロティーナらしく守備を手堅くまとめて来たなという印象。
ただ神戸はイニエスタがいると、皆が彼にボールを集めてパスをもらって彼にリターンを返すルーティーンになりがちで、イニエスタが退いた後半のほうがチームとして機能的だったのは皮肉。さてロティーナ監督はこのミスマッチをこれからどう解決して行くのだろうか?